脚本コンクールで賞を受賞するとどんな“収穫”があると思いますか?
実際に受賞者のかたに質問してみました。
お聞きしたのは、
『あるいは、とても小さな戦争の音』で伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2017の大賞を受賞し、
『雪のした』で第21回函館港イルミナシオン映画祭の審査員奨励賞を受賞された、
シナリオ・センター出身の村口知巳さん。
村口さんは「受賞するといろいろな人に会えるんですよ!」と瞳がキラキラ。
では、具体的にどんな人たちと出会えて、村口さんの場合はその出会いがどんなことに繋がったのか。
村口さんのコメントをご紹介します。
伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2017で大賞を受賞して
馬鹿と天才は紙一重と言いますが、伊参の場合、喜びと苦しみが紙一重と言いますか、受賞の喜びもつかの間、映画を作らなければならないとう重圧が表彰されている壇上の席でじわりじわりとのしかかってきます。
映画作りは到底一人ではできないもので、例えるなら、桃太郎のように、きびだんごをつけ、仲間となる猿や犬や雉を見つけることをしなければなりません。
いえ、そもそものはじまりとして、きびだんごを作ってくれるお爺さんとお婆さんを探さないといけないのです。
どうです、わくわくしてきませんか?
脚本コンクール受賞で一番の収穫は、人との繋がりが広がること
他のコンクールで賞をもそうですが、受賞をすると人との繋がりが格段に広がり、実はこれが一番の収穫だったりします。
特に伊参や函館は映画のシナリオコンクールなので、脚本家だけでなく映画や俳優とも繋がりが出来、本を書いているだけでは絶対に味わえない映画の現場の空気というものを肌で感じることもできます。
他のコンクールでもそうですが、受賞してすぐに脚本家デビューというのはすごく稀なことで、僕の場合、最初に伊参で審査員奨励賞をいただき、その後、イルミナシオン映画祭でも審査員奨励賞をいただきましたが、正直なところ「あ、受賞してもこんなもんなんだ」という気持ちがありました。
それでも、今回伊参で大賞を獲って自分が映画作りに携わることになった時、そこで知り合った監督や俳優の繋がりが、今とても重要な意味を持ってきています。
受賞は一種のサプライズ。
大切なのは書きたい衝動に耳を澄ませること
何かを書くということは、自分の才能に興奮したり、あるいは、自分の才能のなさに失望したりを、月の満ち欠けのように何度も繰り返しているような気がします。
時にはそういう事に疲れて何か月も書かないこともありますが、それでもまた心の奥の書きたいという衝動に突き動かされて、また書くことをはじめ、そうやって僕は少しずつ前に進んでいるのだと思います。
受賞というのは、きっとそういう物を書く過程の中にあるちょっとしたサプライズのようなもので、やはり大切なのは、物を書きたいという衝動に耳を澄ませる事だと思います。
少なくとも、比較的、自分の書きたいものを自由に書けるコンクールではこれを書きたいという衝動が一番、大事なのではないでしょうか。
※村口さんに続け!脚本コンクールいろいろあります。
こちらのブログ「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」で、どんなコンクールがあるのかチェックしてみてください!