桜に想う
シナリオ・センター代表の小林です。5月の陽気とか、東京はうららかですが、まだ桜のつぼみは固いようです。
今朝、福島の原発の話で、人は誰もいないのに桜は毎年咲いている話をしていました。
自分の家に帰れない人がまだまだたくさんいるのに、もうすべてが復興したみたいに思っている人が多く、地元に帰らない人を非難する人もいるとかの報道に、心を痛めている方々がたくさんいらっしゃることをもはや想像だにできなくなっていることに愕然としました。
他人を想う心を大事にしたいですね。
今日は、確定申告締め切り日。 奇しくも、適材適所であったはずの佐川国税庁長官は辞めさせられ、国会にも呼び出されることになりました。
私は、毎年早めに確定申告をしているのですが、今年は、昨日までぐずぐずしておりました。 なんだかなあ・・・全然やる気湧かない。書類や領収書を探すのも面倒だし、税金は払いたくないし・・・と毎日先延ばしに。
ギリギリで提出したのですが、今年は私の周りには同じような人ばかりでした。
今日の最終受付は例年に比べ、混みあったかもしれませんね。
身代わり
「暗愚な者が上に立つと、下の者すべてが自然に倒れてしまう」
あの忠臣蔵は、見方を変えるとそういうことだったのだとひどく感心しました。
「身代わり忠臣蔵」(幻冬舎刊)出身ライターの土橋章宏さんの新作です。
さすが土橋さん!超高速!参勤交代」同様、もう視点の広さ、発想の面白さに圧倒されました。
有川浩さんが推薦され、一気読み!!と帯に書かれていましたが、ホント、一気読みしちゃいました。
吉良上野介と浅野内匠頭の短慮のお蔭で、綱吉の愚かな裁きのお蔭で、内蔵助も小林平八郎も、上に翻弄され、お家のためにどれだけ苦労し、下々は団子も食べることもできないほど貧困にあえぎ、自害し、つらい目に合わねばならないのか・・・赤穂藩、高家だけの問題ではありません。
あれ?どこかの国も似ている・・・。 歴史は繰り返すのか物語っているのか、歴史に学ぶことは本当に多いです。
赤穂浪士の討ち入り前に、吉良上野介はすでに死んでいて、破戒僧だった弟の孝証が身代わりに・・・身代わりってよくある話ですが、この身代わりはちょっとないかんじに一ひねりしてあり、その上、上野介の弟と大石内蔵助と出会わせて、義兄弟((笑)?)にさせてしまう・・・え~。どうなるの?
破戒僧だった孝証、大石蔵内蔵助のキャラクターが、お話しをどんどん転がしていきます。
果たして身代わりの孝証は上野介として内蔵助に討たれてしまうのか?討たれないとしたら誰が討たれるのか、吉良上野介の首はどうなる?・・・一気呵成に盛りあがって、ああ、もう止まらない・・・一気に読ませてしまう筆力に脱帽です。
是非とも上に立つ立場の方は、読んでいただきたい。 私も自戒して読みました。ま、そう堅いことではなくていいのですが。(笑)
ひたすら面白く痛快な笑いと涙の時代小説をご堪能下さい。ちょっとだけ下々のことを想像していただければ幸甚。