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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

ラジオドラマを書く/脚本家・鈴木絵麻さんの1日

ラジオドラマの脚本家はどんなふうに時間を使っているの?

「最近、ラジオドラマに興味があるんですが、どんな脚本家のかたがいらっしゃいますか?」
基礎講座を受講されている生徒さんからこんな質問を受けました。

そういえば、“脚本家”と言われると、テレビドラマや映画など映像作品の脚本家を真っ先にイメージしがちじゃないですか?

でも、ラジオドラマを精力的に執筆されている脚本家のかたも沢山いらっしゃいます。

そこで、現在ラジオドラマを主に執筆されている脚本家 鈴木絵麻さん(作家集団所属)にお聞きしました!

こちらのブログでは、
「ラジオドラマの脚本家はどんなふうに時間を使っているの?」
「シナリオ・センターで学んだどんな技術が、実際の現場でどう役立っているの?」
――に焦点を当てます。

なお、『月刊シナリオ教室 2018年5月号』の隔月連載企画「先輩のオ・シ・ゴ・ト」には、ラジオドラマ『百八つの人助け』(NHKオーディオドラマ・FMシアター)の執筆エピソードとともに、
「なぜラジオドラマを書くことになったの?」
「どうやってラジオドラマを書いているの?」
――といった詳細を掲載しています。シナリオ・センターでご紹介しているシナリオの技術がどんな風に活かされているかが分かりますよ!

『月刊シナリオ教室』とコチラのブログ併せて是非ご覧ください。

脚本家・鈴木絵麻さん
ラジオドラマ『百八つの人助け』執筆中の1日

〇鈴木さん:私は朝型なんです。たとえ30分でも1時間でも、朝のうちに書くと、頭がまわってる感じがしてはかどります。

7:30からは毎朝、BSのほうで早めに、NHK連続テレビ小説のドラマを観ています。
15分のドラマなのに毎回、起承転結があって、余韻をもたせながら終わって、すごいなぁと。

9時からは、特許事務所で経理の仕事をしています。
経理は、シナリオを書くアタマとは全然違う部分を使います。
シナリオは“正しい”とか“正解”がない。でも経理は100%、必ず正解がある。正解が分かってバッチリ終わると気持ちいいんですよ~。

事務所にいるときはシナリオのことは考えません。目の前にある仕事をこなします。
シナリオを書くときは書く、経理の仕事をするときはする。こういう切り替えがいいみたいで。
作品が初めて採用されたのも、この仕事をするようになってからですし。

思えば、この仕事にしてから環境が変わったんですよ。
以前は在宅の仕事をしていたんですが、電車で通勤するようになって、この通勤時間が「こういうドラマってどうかな」と考えるのに、ちょうどいい時間なんです。

現に、ラジオドラマ『百八つの人助け』は車内で思いついたのがキッカケです。

1日中ずっとシナリオのことを考えるのではなく、「経理の仕事をするとき」「シナリオのアイデアを練るとき」「シナリオを書くとき」とメリハリをつけているのが、私にはあっているのかなって思いますね。

シナリオ・センターで学んで、現場で役立っていること①:
3行ストーリー

〇鈴木さん:私は、途中から聴いてもリスナーのかたが耳を傾けられるようなセリフやストーリーを心掛けながら、ラジオドラマを書いています。そういったドラマを書くうえで、シナリオ・センターで学んだことが大いに役立っています。

その1つが、3行ストーリー。

ラジオドラマをつくるとき、まず考えるのが企画。
「こんな内容です」という3行ストーリーのもうちょっと多いバージョンのものをつくります。これをベースにプロットを書き、シナリオにおこしていきます。

3行ストーリーは便利なんですよ。

例えば、ディレクターのかたと打ち合わせしているとき。書きたい内容を3行ストーリーでパシッと言えるときは、相手に的確に伝わりますし、そこから内容を膨らませていってもブレない。

でも、書きたいことはあっても3行ストーリーがしっかりできてないと、「で、どんな話なの?」と聞かれたときに、ちょっと口ごもってしまう…。
現場に出てから、3行ストーリーの大切さを実感しましたね。

シナリオ・センターで学んで、現場で役立っていること②:
自分の作品について話すこと

〇鈴木さん: ラジオドラマの特性上、“セリフはなくても映像で見せる”ということができないので、セリフは重要。

セリフ力を鍛えるには、いろいろ聞いて、読んで、観て、話して、ということが大切だと思っていて、なかでも“話して”は一番効果的なんじゃないでしょうか。
“話して”は言葉のとおり、人と話すことなんですけど、もっと言うと、自分の作品についても人と話すこと。

というのは、「シナリオは1人じゃできない仕事なんだな」と現場で実感するからです。
自分では「これで伝わる!」と思っていても、ディレクターのかたと打ち合わせしていると、「この書き方だと伝わらないんだ」と気づいて、作品の方向性がよりはっきり見えてきます。

つまり、こうやって話すことで、人の反応が分かるんです。

これが、シナリオ・センターのゼミでもできますよね。
書いてきた課題をみんなの前で発表すること、です。

みんなの前で発表すると、まずは空気で分かるじゃないですか。
「退屈してるのかな」とか「このシーン、ちょっと長いのかな」とか。

そして発表後、ゼミの皆さんから感想をもらえます。
いろいろな人の反応を感じとれると、“ひとりよがり”をなくせますし、これは貴重な経験だと思いますよ!

今回お話したこの2つは特に、シナリオ・センターに入ったからこそ分かったことですね。
これらを改めて意識しながら、これからも自分らしいシナリオを目指して書き続けていきたいと思っています。

※そのほか、先輩たちのお仕事タイムスケジュールはこちらから。
【「先輩のオ・シ・ゴ・ト(『月刊シナリオ教室』)」連動企画/ブログ記事一覧のブログ】

“だれでも最初は基礎講座から” ~講座コースについて~

シナリオ・センターの基礎講座では、魅力的なドラマを作るための技術を学べます。

映像シナリオの技術は、テレビドラマや映画だけでなく小説など、人間を描くすべての「創作」に応用することができます。

まずはこちらの基礎講座で、書くための“土台”を作りましょう。

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