応募総数399編の中から選出/“初代大賞受賞者”は圓岡由紀恵さん
先月、第1回WOWOW新人シナリオ大賞の受賞作が発表となりました。
これまで「WOWOWシナリオ大賞」として第10回目まで実施していたコンクールの名称や審査員が一新。
応募総数399編の中から選出された“初代大賞受賞者”は、シナリオ・センター出身の圓岡由紀恵さん(もと研修科)です。作品は『赤いトマト』です。
―あらすじ―
銀行員の森田克博は、原発の影響で自主避難している家族と離れ、福島の自宅で一人暮らし。子どもたちの成長は早く、寂しさを感じている。そんな中、妻の千佳から、銀行を辞めて一緒に暮らさないかと提案される。虫が苦手な克博は、妻の実家の農業をする自信が全く持てない。しかし、同郷の元カノ、波子の半ば強引な後押しで、克博は苦手を克服するためのステップを一つ一つ何とかクリアし、家族と一緒に暮らすために奮闘していく。【『今日、帰ります。』というタイトルで2019年映像化・放映】
選考委員を務めた脚本家・前川洋一氏は、【最終選考に残った作品はいずれもある一定の水準に達していますが、どこかで見たような設定が多く、オリジナリティに欠ける印象を受けました。その中でよりオリジナリティがあり、読み手の琴線に触れた4作品が最後まで残りました。大賞の『赤いトマト』は構成もセリフもうまく、完成度の高い作品でした。物語の背景には福島第一原発事故があるのですが、シリアスになりすぎず、家族の再生を明るく描くことに成功しています】とコメントされています。
圓岡さんによると、これまで色々な脚本コンクールを何度も挑戦されて、今回の大賞が初めての受賞とのこと。
落選が続いたとしても大切なのは、「自分を信じて書き続けること」と圓岡さん。
受賞インタビュー詳細は、『月刊シナリオ教室』に掲載予定です。それに先駆けて、圓岡さんのコメントをご紹介!
ゼミでの厳しいコメントは、まに受けすぎずに
〇圓岡さん:初めに、ここまで選出してくださった皆様と、賞の運営の皆様に心より感謝申し上げます。
審査員の方々から社会問題を難しくしないで書いているという評価をいただき、大変嬉しく思っております。
これから映像化に向けて、より多くの方々に見ていただけるように、精一杯頑張っていこうと思います!
受賞前は、脚本を書く際、人物の会話などを積み重ねてから、いきなり脚本を書き始めていました。
受賞後、企画書やプロットが書けるようにしておきたいと思い、勉強中です。
今後は、どんなジャンルでも、チャンスがあればこだわらずに書きたいと思っています。
シナリオ・センターのゼミで自分の作品を発表するときは、毎回緊張しました。
感想というよりは、反応として悪くないかを重視していたと思います。
厳しいコメントもありましたが、プロの脚本家のドラマでも視聴者からの厳しいコメントはあるので、1つ1つ、まに受けすぎなくてもいいのかなとも思います。
最後は、自分を信じて書き続けるのみ、だと思っています。
ゼミの課題が『赤いトマト』を書くキッカケ
今回大賞を受賞した『赤いトマト』は、研修科ゼミの課題で書いた20枚シナリオがもとになっているんだとか。ゼミで発表した際、ゼミ仲間から好意的な意見をもらえて、この続きを書こうと思った、と仰っていました。
出身ライターの方々や、脚本コンクールで賞をとった“先輩たち”は、ゼミの課題を活用されているかたが多いんですよ。皆さんも、ゼミの課題、頑張って書いてください。そして、ゼミで発表して、仲間の反応を参考にしてくださいね。
第2回WOWOW新人シナリオ大賞 募集はじまってます!
今回より受賞者は、今後ドラマの企画開発に携わることができる、とのことですよ!
詳細はこちらのWOWOW公式サイトをご覧ください。
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脚本コンクールに出し続ける/第1回WOWOW新人シナリオ大賞優秀賞受賞・伊藤竜也さん
※圓岡さんに続け!脚本コンクールいろいろあります。
こちらのブログ「主なシナリオ公募コンクール・脚本賞一覧」で、どんなコンクールがあるのかチェックしてみてください!