授賞式だけが目的じゃない、プロの視点を紐解くイベント
シナリオ・センターでは、創立47周年にあたる昨年2017年に、1年間かけて「47行の物語~47都道府県シナリオコンクール~」を実施しました。
47都道府県を10地区に分け、毎月指定する「地区」×「ごはん」を題材にしたシナリオを応募していただきました。そして毎月、月間最優秀賞を選出し、結果、計10編が選ばれました。
先日、この10編の中から年間最優秀作品を決めるイベント【シナリオ熟~プロの脚本家が思う「うまい!」シナリオに迫る~】を渋谷のLOFT9で開催しました。
イベント名をみて、「え?授賞式じゃないの?」と不思議に思われたのでは?
授賞式ではあるのですが、それだけではありません!
各地区の最終審査にご協力いただいた出身ライターのかたをお招きして、イベント前半はトークショーを実施。どういうポイントを抑えれば面白い脚本が書けるようになるか、プロの考え方を紐解くため、その糸口として「47行の物語」の月間最優秀作品10編について、いろいろお話いただきました。
イベント後半には年間最優秀作品を決定。
さらに、プロの脚本家とフランクに交流できる場として懇親会も実施しました。
当日、ご登壇いただいたのは、
2月九州地区最終審査ご担当・柏田道夫さん(シナリオ・センター講師)
3月東北地区最終審査ご担当・あべ美佳さん
4月東京地区最終審査ご担当・寺田敏雄さん
9月四国地区最終審査ご担当・浜田秀哉さん
11月関東地区最終審査ご担当・荒井修子さん
――です。
なお、8月近畿地区最終審査ご担当・森下直さんは当日お越しいただくことは出来なかったのですが、お話いただくテーマについて事前にご回答いただき、そのコメントを発表させていただきました。
「プロの脚本家はこう書くんだ!」と実感
トークショーでは、出身ライターの方々に
Q「ごはん」メインの好きな映画やテレビドラマはありますか?
Q「ごはん」はメインではないけど、記憶に残るシーンはありますか?
Qご自分の脚本で「ごはん」を描くときはどんな風に書いていますか?
Q「ごはん」を使うシーンだからこそ描けるものは?
Qもし「47行の物語」に応募するとしたら、どんな「ごはん」をどう描きますか?
Q月間最優秀作品10編のうち、「もっとこうしたらいいのに!」と思った作品は?
(ト書・セリフ・タイトルの付け方について)
--といった質問にそれぞれお答えいただきました。
例えば、月間最優秀作品10編のト書やセリフについては、各作品をスクリーンに映し出し、それを見ながらトークを展開。
・「視聴者に伝わっているか不安で、ダメ押ししたくなる気持ちも分かりますが、このセリフはいらないのでは?このセリフはなくても通じるので、現場だったら切られると思います」
・「この場面では“ありがとうね”じゃなくて、逆に憎まれ口を叩く方がいい。この登場人物のキャラクターらしい感謝の仕方になるから」
・「このシーンでは何を映してほしいのか。そして、それを引きと寄りのどちらで撮ってほしいのかも考えて書かないと」
・「どういう絵を撮ってほしいのか、それを思い浮かべながら書くことはト書の練習になりますよ」
――というように、具体的なアドバイスをいただきました。
これには、会場にいる月間最優秀作品の作者たちも感激!
自分の作品をプロの脚本家のかたに直接みていただく機会はなかなかないですからね。貴重ですよね。
そのほかの参加者からも、「おぉ!」という声があがったり、メモをとったりと、会場は熱気に包まれていました。
懇親会も実施!プロの脚本家との交流の場に
審査は月間最終審査委員の脚本家審査票、事前投票いただいた一般審査票とイベントの休憩中に行った最終審査票から行いました。
結果、年間最優秀作品賞に輝いたのは、3月東北地区月間最優秀作『はれの日の朝』(有坂尚子さん/作家集団所属)。
有坂さんには、東北地区の最終審査を担当されたあべさんから、「47行の物語」にちなんで賞金47,000円が授与。
また、副賞として月間優秀作品10編の中に出できた「ごはん」の詰め合わせと、グルメカタログ2万円分が贈呈されました。
でも、なんといっても最大の“賞品”は、プロの脚本家の方々に直接、自分が書いた脚本の感想を聞くことができたことですよね。有坂さんも、「すごく勉強になりました。そして、まさか受賞するなんて」とこの笑顔。
また、今回のイベントに参加していただいた沢山の方々から、「刺激になりました!」「自分の作品のことではないですが、すごく為になりました」「今度書くときの参考にします」とお声掛けいただきました。
トークショーと授賞式終了後に実施した、出身ライター5人を交えての懇親会も大いに盛り上がり、イベント終了時間ギリギリまで続きました。
出身ライターのかたに「プロの世界で待っているからね!」と背中を押され、「自信を無くしていたので凄く嬉しかったです」と笑顔で帰って行かれたかたもいらっしゃいました。
シナリオ・センターでは、こういったプロの脚本家の方々のお話を聞いたり、フランクに交流できる場を今後も提供させていただければと思っております。こういった機会もご利用いただきながら、創作活動にぜひお役立てください!
なお、事前投票いただいた方の中から抽選で5名のかたに“サプライズ”をご用意しております。
こちらを“お届け”する模様はまた後日、ブログでご報告いたしますのでお楽しみに!
5/15には小説家・柚木麻子さんが、5/19には映画監督・中村高寛さんがご来社!
脚本家の方々だけでなく、小説家や映画監督、プロデューサーなどなど、いろいろなかたにお話いただく公開講座「ミソ帳倶楽部」を実施しております!ぜひご参加ください。5月開催のミソ帳倶楽部の詳細はこちらをご覧ください。
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