他人の気持ちを
シナリオ・センター代表の小林です。西日本豪雨では、被害は広がるばかりです。どこまで広がるのか見当もつきません。
自然の恐ろしさにただただ呆然とするばかりです。
そんな中、無名の人々がボートで、孤立している人々を救出していたことが話題になっています。 彼らは、救出を待つ人々に「見捨てないから安心して」という言葉をかけながら、次々と救出していかれたそうです。
名古屋市消防局は、被災されている人々の不安を少しでも和らげようと、公式アカウントのツイートで「必ずあなたを助けます」というコメントをだし、救出に向かったそうです。
被災した方々の気持ち、不安を想像しながら必死に救助へ動く方々がいるかと思えば、災害対策本部も設置しないで、楽しく懇親会をしていた安倍首相はじめ自民党議員の想像力のなさには、ホトホト呆れます。 「どんな批判もお受けしようと思っています」と竹下さんは、おっしゃっていますが、批判以前に国を司る人としてのあるまじき姿は、まずご自分たちで責任をとられるべきでしょう。豪雨で亡くなった方々、被災された方々にどのような顔向けができるのでしょう。
被災地の水に浸かった、土砂につぶされた映像を見るたびに怒りが増すのは私だけではないかと思います。
日芸とシナリオ・センター
悲しい腹立たしいことばかりが起こる昨今ですが、こんな面白いことが起こりました。閑話休題というところでしょうか。
日本大学学務部入学課から私宛に1通の封書が届きました。
アメフト事件で入学者が減りそうなのでシナリオ・センターで生徒集め?なんて勝手に想像して、開封したところ、なんと日芸の入学試験に、私の書いた「今日からシナリオを描くという生き方」(彩流社刊)の一部を使ったというご報告でした。
ほお、そんなに名文だったか、シナリオの技術として優れていたかと思いながら(笑)拝見しましたら、演技の実技試験の問題でした。
試験のひとつで私の文章を朗読されたようです。名文でもないのになんで朗読文にと怪訝に思い読んでみたら、よくわかりました。
これが試験問題です。
『シナリオは、アクション、リアクションからなる世界です。
「ばかやろう!」とひとりのおじさんがアクションを起こしたとします。それに対し、目の前にいる人は、一体どんなリアクションを起すと思いますか?
同じく「ばかやろう!」と怒鳴るのか、それとも「ごめんなさい」と謝るのか、呆然として固まっちゃうのか。怖くて震えているのか。「今、なっつった。もいちど、言ってみろ!」なんて殴りかかるのか。
それはキャラクターによって千差万別、千変万化。そしてまた、そういったキャラクターに対し、この「ばかやろう」おじさんは、一体どうでるのか。
その一つ一つを選ぶのは、あなた次第というわけです。
実際にあなたが、上司に毎日のように叱られていたとします。
あなたがシナリオを勉強するようになると、あなたは、この上司が怒っている内容よりも、怒っている上司自身に興味を抱くようになるでしょう。」
この話はキャラクターの話の一部なのですが、演技を学ぼうとされる受験生は、このキャラを使い分けながら朗読をされたということなのですね?
シナリオの技術としてのみならず演技試験にも使っていただけるとは。
シナリオ・センター事務局は、実は日芸閥なんです。なにしろ12人の事務局中5人が日芸出身ですから。
10数年前のこと、昨年亡くなられた出身ライターの森治美さんが日芸で教鞭をとられていました。そこで、学生のバイト募集をお願いしたのです。
シナリオ8週間講座受講つきバイト。そのときにセンターのバイトをしてくれた日芸生は男女10数人いたかと思います。
それぞれが2年ほどバイトして卒業後、就職されたり、他の道に進んだりして散り散りになったのですが、中の1人はそのままセンターに残って、今は事務局の要として活躍してくれています。
その後、センターで働きたいと10数年後に鮭のように大きくなって戻ってきてくれた人2人(すごくうれしかった)、たまたま日芸出身者だった(笑)2人という最大派閥なんですよ。わぉ~!
なにかのご縁があるのかもしれません。
そんな日芸の入学試験に、私のつたない文章を使っていただけて、とても光栄です。
ちなみに、新井一の「シナリオ基礎技術」は教材としてお使いいただいているそうです。
アメフトとはなんの関係もありませんでした。(笑)