心配り
シナリオ・センター代表の小林です。今日も西日本では2万人超の方々が孤立しているそうです。
海上自衛隊が船で食糧・水などの輸送をしたり、お風呂の提供をしているとのニュースをみました。
先日見学させていただいた護衛艦いずもも出動されたのでしょうか。
被災された方をお風呂や給水を待つ間も涼しいところに誘導し、心を和まそうと海自の楽団が演奏を聴かせてくれるなど自衛官の方々のきめ細かい配慮に感動されている人々を見て、私たちが見学させていただいた時ですら、全員の心配りに感動したので、さもありなんと思いました。
泥まみれで、危ない場所で救助に頑張ってくださっている陸自、消防、警察の末端の方々、現場は、末端の方々の志と努力でちゃんと動いてくれているのだと、ちょっと嬉しくホッとしました。
なにしろ、この国のお上は、国民の生死をよそに宴会してはしゃいでいるだけで、誰も誰一人助けようとしていないのですから。
挙句に、災害のどさくさに必要もない議員増員を可決するなど最低なお上たちに本当に愛想が尽きます。
一生懸命にやるべき場所を間違えていやしませんか。
現地へ飛んで行ってなにかをすることはできませんが、少しでもお役にたてればと、先日は9日の日記についてでしたが、7月中の表参道シナリオ日記に「いいね」をくださったら、「いいね」につき100円の寄付を西日本災害へ寄付させていただくことにしました。
ご協力いただければ嬉しいです。
ねじまき片想い
出身小説家の柚子麻子さんの「ねじまき片想い」(創元推理文庫刊)文庫化されました。
一生懸命にやるべき場所といえば、この主人公宝子さんも、ある意味一生懸命の場所を間違えているかもしれませんが、宝子さんは他人のために一生懸命やる人で、そこは全く違います。(笑)
柚木さんの小説は、主人公が魅力的なことで定評があります。
みごとに魅力的にするための2面性ができているからです。憧れ性と共通性。
この主人公の宝子さんは、老舗おもちゃ会社の敏腕プランナー。この会社のヒット商品を次々と創りだし、会社の仲間にも一目置かれている存在です。
外見は楚々として控え目なのに、好きなものに対するパワーと想像力、行動力には驚くほどなのに、外注先のデザイナーに5年も片想い。
想いを伝えられずにうじうじしている姿は、会社の仲間たちがイライラするほど。
この片想い相手西島は、なぜかやたらにトラブルにあうのですが無頓着、宝子のおかげで生き延びていることも気がつきません。
宝子は、その都度持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使して、まるでSPのごとく彼のトラブルを解決。
なぜかそのトラブルが犯罪に関わったりしてしまい、恋の行方とサスペンスの行方は、計り知れないほど面白く動いていきます。
主人公の宝子もそうですが、片想い相手の西島、宝子のチームメイト5人、面倒見のいい先輩のその子、後輩のミカ、3年先輩の榎木田、響子、そして竹本部長、シェアハウスの友人玲奈、宝子の活躍を知る目黒警部補などなど、これらの登場人物のキャラクターがまた濃いのです。
一人一人を主人公にしてサブストーリーができるくらいです。
これは、ドラマ化したらシリーズになるであろうくらい、このキャラたちのぶつかり合いでストーリーはどんどん創れます。
サマーセミナーでのミッションを完遂するためには、こうしたキャラをしっかりと創るとうまくいきます。キャラクターを創るコツは、色々な人をみたり、会ったりすることです。
テレビのニュースを見ているだけでも、色々なキャラを見ることができます。あ~、でも主役にしたいような魅力的なキャラはいないか。一面性しかない悪代官なんてつまんないか・・・。ま、それも勉強ですね、そこから魅力的なキャラのヒントを得ることもできますから。
そのキャラだからこそ生まれるシーン、ドラマ作りの肝です。