夏休み
シナリオ・センター代表の小林です。ここまで暑さが続くと、すべての気力がなくなる気がします。
腹立つ頃が多かったこの夏ですが、怒りも暑さの前に薄れていきます。これではいけないと思うのですが。
豪雨災害の被災地では、頑張っていらっしゃるのだろうと思うと心が痛いです。
身体を守るために10分動いて10分休めといわれますが、もどかしいですね。
気候ばかりは人知の及ぶところではなく、天を仰ぐしかないのでしょうか。
なんとかならないものだろうかと思います。 国会もお休みになったことだし、議員全員で手伝いに行かれるのもよいかと思います。あ、長靴などお忘れなく。(笑)
誰もが持っているカセ
「命にかかわる危険」な暑さの最中に、サマーセミナーを行いましたが、あれから1週間たったなんて嘘のようです。
アンケートを拝見していると、約97%の方が参加して良かったとおっしゃって下さり、企画したものとしてはホッとしています。
命にかかわりながらも頑張って体得されたのですから、是非とも今後に生かしていただければ嬉しいです。次回は、どなたにもご満足いただけるよう頑張ります。
ミッションは直しのほかに3つありました。「行動の魅力づけ」「セリフは嘘つき」「カセ」。
アンケートで一番難しかったと答えられたのは「カセ」でした。
ちょっと意外でした。私は「カセ」が一番楽だろうと思っていました。
すべての基礎講座で「カセ表」という新井一が創った「カセ」の種類が表になっているものをお渡ししています。
なので、他の技術より忘れにくいし、葛藤・相克を描くには「カセ」失くして書けないので、一番書きやすいのでは・・・と思っていたのですが・・・使い方に悩まれたのかもしれません。
5枚のシナリオを書いていただいたのにはわけがあります。 ストーリーに囚われないためです。
20枚シナリオでもそうですが、ゼミで読んだり、聞いたりするにはショートストーリーの方が、わかりやすいので、他人の受けはいいです。
ですが、20枚シナリオはストーリーでなく、ディテール、シーンを描く、葛藤・相克・対立いわばその部分を描くことで、人間描写するためのものなのです。
ゼミでショートストーリーを褒める講師がいたら×してください。(笑)
もちろん、ショートストーリーを別立てに描かれる分には構いません。自主映画などをされる方にとっては大事なシナリオです。
ですが、ゼミでは、ディテールを描く、人間を描くための勉強をしていただきたいのです。
「カセ」は広辞苑によれば「刑具のひとつ。首や足を縛りつけるもの。転じて離れられないもの、邪魔もの、係累」とあります。
登場人物が、目的に向かって進んでいこうとするとき、条件として邪魔になるものということになります。大きく分類しても、①人物に対する宿命的なもの②社会的のつながりのあるもの③約束または掟④時間的なもの⑤物に関係するもの⑥状況的なものなどたくさんあります。
これらをどこにどのようにどう入れるかが作者の腕となります。
実際の生活にもやまほどカセがあるのに、シナリオではあまり考えないということは、その登場人物に生活や事情・事件を与えていないからです。
人間を描くということは登場人物に血肉を挿入していくことです。
気象庁から外へ出ない方がいいよという警報が出ています。
せっかくですから、こんなときこそ、中であれこれ楽しみながら考えてみるチャンスにしましょう。