過去に学ぶ
シナリオ・センター代表の小林です。8月になりました。あまりの暑さに今さら8月、真夏って感じですが(笑)、とにもかくにも8月です。 8月というのは、日本にとっては特別な月です。 8月6日広島原爆記念日、8月9日長崎原爆記念日、8月15日終戦記念日があります。
6月23日の沖縄の慰霊の日とともに、日本人が決して忘れてはいけない日です。
戦後73年、戦争は遠くになりながら、やけにきな臭い、どこか戦前に似た風景が見受けられます。
戦後の日本とドイツの違いをよく言われますが、昨今は本当に違いを感じます。
それは大きくは教育の違いから生まれたようです。
「ドイツは第二次大戦で、ナチスを、ヒットラーを生み出したことを恥じています。民主主義の選挙は愚かな市民であれば愚かな代表を作る。 当時、まさかヒットラーに国が傾くわけはないだろうと大半の人が思っていって、黙ってみているうちに傾いてきました。 なので、戦後のドイツの教育は、誰かの意見を鵜呑みにせず自分で考えて、最後の1人になっても自分の意見を言うことを根底においている」のだそうです。
びっくりしたことに、ドイツの高校生たちは日本の原発、福島の原発のことを日本人より学んでいます。
それはが学校教育だけではなく家庭からきちんと原発のニュースをみせて、事実から目を逸らさないことを伝えてきているのだそうです。
日本はどうでしょうか。家庭でも、学校でもほとんど話をしていません。意見交換をすることもあまりしていないでしょう。
敗戦国でありながら、終戦と言い敗戦記念日とは言いません。残念なことに、日本人は厭なこと汚い過去に蓋をすることが好きなようなのです。
過去をきちんと検証をして、悪かったのであればどうすればよかったのか、今後どうすればいいのかを考えるような学校教育も家庭教育もしてきてはいません。
だから、どう考えていいのかもわからないままの人がたくさん増えてきているのです。
物事に正解はありません。だとしたら、なにが必要か、想像力と創造力です。
想像する手立ては、人は誰ひとり同じ人はいないのですから、お互いのキャラクターを知り、違いを認識すること。そこから初めてアクションリアクションができるのです。
新井の望み
新井一は、そうした日本をみてきたからこそ、シナリオを描くことで自然に自分の想い、考えを持ち、それを伝える術ができることを日本中の人々に広めたかったのです。
新井が望んでいた一億総シナリオライター化。
今私たちは「日本中の人にシナリオを描いてもらいたい」と願い、各小学校へシナリオの出前授業を展開しています。
子どもの時から自分で考えることを、押しつけではない考える術をもつことが、これからの日本が戦争への道へ導かない、止める唯一の方法だと思っています。
今日も暑い中、鎌倉・川喜多映画記念館で「こどものシナリオ・映画教室」を開催してきました。小学4年生から6年生まで24名。
子どもたちはそれぞれシナリオを書き、撮影して、映像化する。
子どもたちは、自分一人でちゃんと考え、自分の想いをシナリオで描き、イキイキと映像へ表現しています。
子どもたちは、手立てさえ教えれば、ちゃんと自分で考えることができます。ちゃんと想いを伝えるように頑張ります。自分の力を知ろうとします。みんなとコミュニケーションを取りながら必死に自分の力を出していきます。
子どもはできます。大人ができなくては恥ずかしいです。
ドイツが言うように、民主主義の選挙は愚かな市民であれば愚かな代表を作るのです。
大人も子供に負けずに、自分で想い、考え、伝える、行動する・・・。
日本中のすべての人に、想像力・創造力を。