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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

経験したことがない

オーディオドラマを聴く会(2018年2月)

経験値

シナリオ・センター代表の小林です。昨日は台風13号の影響を考慮して、全面休講にさせていただきました。
東京は、思っていたほどでもなく、休みにしなくてもという声もありましたが、昨今の天気は全く見通しがつかず、なにかというと経験したことのないことが起こることが多いので、あえてお休みさせていただきました。
今回は、5週目29日水曜日に振替させていただきますので、申し訳ありませんがご容赦いただきたく存じます。
まさかの気持ちで亡くなったりされる方が多いと聞きます。
私も「まさか」とか「自分にはおきない」という認知バイアスをかけてしまうことが多く、個人のことなら自分だけで済みますが、様々なところからおいでくださる、また年齢、環境もバラバラの多くの受講生の方々を抱えているシナリオ・センターとしては、「なにもなくてよかった」で終わらせることが一番だと思っております。
今後も、このような場面に出会うことが多々あるかと思いますが、シナリオ・センターはこのように安全を第一の方針で参りますので、ご迷惑をおかけすることもあるかと存じますが、よろしくご承知おきいただけますようお願い申し上げます。

明日、8月10日から16日まで、シナリオ・センターは夏休みです。
平常授業は17日金曜日からとなります。お間違えのないようお願いいたします。

 

 

風船

8月9日、今日は長崎原爆記念日です。一般市民もわざと巻き込んだというアメリカ空軍の証言に戦争の狂気を感じます。
唯一の被爆国日本だからこそ「核兵器禁止条約」に批准してほしいと思います。

沖縄の翁長知事が亡くなりました。享年67歳、まだまだご活躍していただきたかった年齢でもありますし、辺野古基地阻止に心を遺しながらお亡くなりになられたと思うと本当に残念でなりません。
沖縄と本土の温度差は開くばかりで、本土にいる私たちがいかに他人事ではなく、自分事として考えるかということが大切なことかと思います。 すべては想像力にかかっていると思います。

明日8月10日、小説家の吉野万里子さんがオーディオドラマを書かれました。広島、長崎、沖縄とも通じる戦争に関わるお話しです。
オーディオドラマ「73年前の紙風船」(NHKラジオ第一21:00/18日22:00 FMNHK)が、明日放送されます。

主人公の遥人は、公園で風船の大道芸をしている。遥人の祖父は73年前巨大な紙風船に爆弾を乗せアメリカを攻撃しようとした「風船爆弾」の開発者のひとりだった。
遥人は子供の頃遊園地で父に買ってもらった赤い風船の紐を離してしまい、次の日父が交通事故で亡くなるという過去がある。
このそれぞれの風船を巡っての記憶と忘却が交差して物語は動いていきます。
平和な日本の夏を生きる若者への讃歌でもあり、悲惨な戦争の中で精いっぱい生きた1945年の若者たちへの鎮魂歌でもあります。

風船爆弾は、時の首相、東條英機は3万発もアメリカに投下するつもりだったようですが、実際には9300発が投下されて終わりました。
戦争というのは、何度も言いますが狂気です。子どもが喜ぶ風船も人殺しの兵器になるのです。
8月は、日本人一人一人が真摯に戦争と向き合わなければいけない月だと思います。

吉野万里子さんは、もともと脚本家でいらっしゃり、シナリオ・センターで学ばれ、シナリオコンクール「日本テレビ登竜門」で入選され、デビューなさいました。
その後、小説家として、「チームふたりシリーズ」などのベストセラー児童書から大人のものまで幅広く書かれていらっしゃいます。
今回、どの様な経緯でオーディオドラマを書かれたのかは存じ上げませんが、吉野さんは、いつもちょっと変化球を投げられますので、風船を題材にこの過去と現在を交差させてとても興味深い物語を描かれたことと思います。
必聴のオーディオドラマをご堪能ください。
小説の最新作は「南西の風、やや強く」(あすなろ書房刊)。
次回ご紹介させていただきたいと思っています。

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