人生100歳
シナリオ・センター代表の小林です。またまた東京に暑さが戻ってきました。
あの灼熱の暑さから比べれば・・・とは思うのですが、ちょっと涼風にあたってしまった身には、堪えます。ふぅ~。
台風も次から次へと襲来して、今週も怪しい感じです。
全くこればかりは何とも致し方なく・・・。 休講となる可能性もございますので、なにかあればシナリオ・センターホームページをご覧いただけるようお願いいたします。
なんとなく体がだるい、眠れない、気力がイマイチという方も多いかと思いますが、そんなグダグダの身も心もぶっ飛ばしてくれるような本が出ました。
我らが大先輩内館牧子さんの「すぐ死ぬんだから」(講談社刊)
タイトル、びっくりですが、タイトル以上に小説そのものがすごい。(笑)
映画でもヒットを飛ばし、ベストセラー小説「終わった人」を凌ぐ小説です。
なにしろ、退職なんてもんじゃない、すぐ死ぬんだから。(笑)
内館ワールド炸裂。元気が出ます。
私は読みながら、「ごもっとも!」と喝采を送ることしきり。それって私が歳をとったということかぁ????(笑)
老人の生き方
内館さんは日ごろから、歯に衣を着せずご自分のお考えをしっかりだされる方ですが、人生100年時代に突入してきた昨今、内館さんの創られた主人公の生き方は、とても大事なことを教えてくれます。
主人公は、なんと78歳のおばあさんハナ。
ウイッグを上手につかいネイルも施し、きれいにお化粧して、もちろんファッションセンスも経営センスすぐれた勝気な女性。
夫と二人でやっていた酒屋をスーパーに負けじと自ら自転車で芥子1つでも宅配するという作戦を考え、盛り上げてきた。
銀座を歩けば、高齢者のファッション誌「こんな素敵な人いるんです」コーナーに載せたいと言われ、雑誌にバッチリきれいな姿を掲載される。
78歳というと周りに驚かれるほど、元気で見た目も若い。
そんなハナが突然、おしどり夫婦と言われた夫を亡くしたところから、お話は大きく展開していきます。
「終活」なんてしない。60代に入ったらぜったいに実年齢にみられてはならない。
「すぐ死ぬんだから」と自分に手をかけないのは自己放棄だと内館さんはおっしゃいます。
外見を磨くと言っても若作りをしろというのではない、アンチエイジングの推奨でもない、自分の見え方に関心を持つと気持ちが変わり、積極的に生き抜く年寄りになれるということなのです。
小説のなかのでてくるハナの周りの老人は、一様にしわしみを隠す努力もせず、ヘアスタイルも気にせず、安いまたは昔の洋服を着て、リュックを背負っています。
「外見ではない中身だ」という老人を内館さんはバッサリ切ります。
先のない年代に大切なのは偽装。外見を磨くのは偽装なのではあるのですが、
偽装すれば年寄りくさい「鈍くなること」「緩くなること」「くどくなること」「愚痴になること」「寂しがること」「同情を引きたがること」「ケチになること」「孫自慢病気自慢元気自慢」「エンディングノートを描くこと」すべて許せなくなるのだと。
自分で自分を戒めながら、外見も中身磨き、積極的に生きることが大切なんですね。
中身と外見がイコールであれば一番いいですよね。私の大好きな草笛光子さんみたいに。
年寄リュック話ですが、私はいいなあと思いつつ、若い人のカッコいいリュック姿との差に、ハナさん同様どうしても背負えません。(笑)
両手が空くし、バランスも良いし、実はリュックサックは、前かがみを後ろに引っ張ってくれる身体にとてもいいものでもあることはわかっているのですが。 年寄りがカッコよく見えるリュックを開発してください。それまではハナ同様、もう少しがんばりたいと思います。
この小説は、老人たちを元気づけるだけではなく、読者みんなが己に喝を入れたくなる小説です。
100歳時代の社会を保つためには、元気で頭も明晰な老人でなくてはならないのです。
そして、若い人は老人とはどういうものかということを知り、うまく老人を使うために、そして自分が老人になったときのバイブルになります。
誰もが年はとるのですから。
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