家事・育児と両立しながら脚本をご執筆!
脚本を書きたいけど、仕事との両立、家事との両立、育児との両立、介護との両立など、さまざまな事情や制約があるため、「自分にはできないな…」と諦めてしまうかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
でも、そういった事情や制約がある中でも、精力的に脚本を書かれている脚本家のかたもいらっしゃいます。
例えば、出身ライターの嶋田うれ葉さん。
嶋田さんは、家事・育児を両立しながら、9月9日(日)22時から放送される新作ドラマ『ダイアリー』(NHK BSプレミアム/全4回)の脚本を手掛けていらっしゃいます。
ドラマ『ダイアリー』
母と娘、そして“女たち”の愛と絆を描いたヒューマン・ストーリー
ドラマ『ダイアリー』は、シングルマザーである母と、結婚を控えた娘の物語。
急病で倒れ意識不明の植物状態になった母。娘は突然の事態に困惑する中、母の記した「リビングウィル(尊厳死宣言書)」を知り、母が高校時代の同級生たちと続けていた交換日記を発見する。その日記を手掛かりに、娘は母の故郷・石川県へ旅立ち、日記に書かれた同級生たちの嘘と現実を知ることになるのだが……
――というもの。
どんな展開になっていくのか、すごく気になりますよね。
9月9日の放送に先立って、本作の見どころや今回の脚本執筆で感じたことをお聞きしましたので、ご紹介いたします。
このドラマがどのように作られていったのかが分かるだけでなく、「脚本執筆と〇〇の両立なんて無理……」とお悩みのかたは、嶋田さんのコメントが背中を押してくれますよ!
なお、『月刊シナリオ教室』(10月号/9月28日発行)に、ドラマ『ダイアリー』に関する嶋田うれ葉さんのインタビューが掲載予定ですので併せてご覧ください。
Q1:「ここは特に注目してほしい!」という見どころを教えてください
〇嶋田さん:主人公が旅先で出会う人たちがみんな個性的なキャラクターなので、主人公の来訪がどんな化学変化を起こしていくのか、そして主人公が葛藤の末にどんな決意をするのか、ぜひ見ていただきたいです。
Q2:「ココは外せなかった!」というシーンはありますか?
〇嶋田さん:1話に、植物状態になる前の母親と飲みに行き、確執の雪解けを予感させるシーンがあります。その後、悲劇が待ち受けているだけに、せめてこのシーンだけでも幸せにと思いを込めました。
2話、主人公が生まれて初めて祖母と会うシーン。お互いの複雑な心情、葛藤を描くのが難しかったです。
3話、主人公の来訪が原因で、母の親友たちが大喧嘩するシーン。大人の女たちが本音をぶちまけて暴れる姿が描かれています。
4話、実の父親と初めて会い、別れるシーンと、母親の命をどう選択するのかという決断のシーン。最終回だからといってうまくまとめることよりも、キャラクターの心情を常に意識しました。
Q3:「今回、これは勉強になった!」というところはありますか?
〇嶋田さん:主人公、副主人公だけでなく、脇のキャラクターに対しても思い入れがどんどん強くなり、お気に入りのシーンがいくつもありました。
が、最終的に削る段階でまっさきにバッサバッサと切られていきました(笑)。
でもそうすると、その回のテーマがはっきりとして、より主人公がイキイキとして見えます。
「自分的お気に入り」はつくづく要注意だな、固執しちゃいけないなと改めて反省しました……!
Q4:思い出に残るご執筆中のエピソードはありますか?
〇嶋田さん:執筆と0歳児の育児の両立に必死で、いろんなハプニングがあった気がするのですが記憶が曖昧です……(笑)。
Q5:シナリオ・センターの“後輩”にひとこと、お願いします
〇嶋田さん:家事と執筆、育児と執筆、仕事と執筆、介護と執筆など、みなさん様々な事情や制約の中で習作されているかと思います。
課題に手をつけられず、疲れた、もう無理、書けない~……分かります!
でも、今日1行書ければ、明日もきっとまた1行書けます。地道に書く筋肉を鍛えれば、プロになった時に必ず役に立ちます。頑張ってください!!
※ドラマ『ダイアリー』情報
詳しくは、こちらのNHKプレミアムドラマ『ダイアリー』公式サイトをご覧ください。
※そのほか脚本家・小説家・映画監督の出身生コメントはこちらから。
シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメント記事一覧『脚本家 ・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』をぜひご覧ください。