いつのまにか
シナリオ・センター代表の小林です。8月の終わりから大阪に行っていたら、いつのまにか9月になっていました。
9月の声を聴くと、秋という感じですが、今日も大型台風に翻弄されている日本列島です。
前回と同じような経路で、四国・九州・西日本は大丈夫なのでしょうか。
まだ傷口も塞がらないうちにも次から次へと押し寄せる・・・本当にどうしたらよいのでしょう。
自然の恐ろしさをきちんと知り、対処を考え、使わなくてもいいところにお金を使わずに、お金をつぎ込むならこうした危ないところに出して、早急に起こる前に力を注いでいくのが国の仕事だと思うのですが・・・。
国は人を守ることを最優先にしてほしいです。憲法でも約束されていますから。
夏休みも終わり、子供たちが学校へと戻っていきます。それが当たり前のようにいわれていたのはいつの頃までだったでしょうか。
昨今は、夏休み明けに学校へ行きたくなくて自殺に走る子供たちが増えています。
登校拒否は今や一部の子どもの問題ではありません。いつ誰にも起こりうる問題なのです。
一体どうしてそんなことになったのかと、何故子供に居場所がなくなったのか、なにが不安で子どもは学校へ行けないのか、なぜいじめは減らないのか・・・そう簡単に答えが出るものではありませんが、大人は常に向き合っていかなければいけないのではないかと思うのです。
未来を子どもに託すためにも。
子どもと向き合う
9月21日金曜日21:00からテレビ東京「テレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル『Aではない君と』」が放映されます。
脚本は、出身ライターの山本むつみさん。
原作の小説は、中学生の息子が同級生を刺殺し、その理由を語ろうとしない息子に翻弄されながら、両親、被害者家族、弁護士など大人たちが様々な形でぶつかり合い、大人たちが真実と答えのない問いに向き合う姿を描いたものです。
テレビでは、『少年犯罪』「加害者と被害者双方の苦しみ」「贖罪のあり方」など重いテーマはあまり好まれません。
それでも、プロデューサーの稲田さんはこの小説が出たときから温めていらしたドラマだとのこと。
稲田プロデューサーは正面から向き合うことが今だからこそ必要だと思われていらしたようで、それを脚色された山本さんは大きな命題を受けとられて大変なことだったと思います。
骨太でありながら繊細な人間を描ける山本さんだからこそ、できたドラマではないかと推察しています。
佐藤浩市さん、天海祐希さん、山崎努さん、仲村トオルさん等豪華キャストが山本さんのシナリオを、ひとつひとつのセリフを大事にして創られたドラマだそうです。
今からとても楽しみです。
最近は、戦争・原爆などについてもそうですが、虐め、セクハラパワハラ、山のように問題が起きているのですが、当事者たちも含めて誰もが嫌なことから目を背けていく傾向があるように思います。
真面目な話をしないようにする、議論をしないのもそのひとつでしょうし、政治家が討論を避けるなどは言語道断の行為でもあります。
楽しいことや美しいこと、美味しいことなども大事ですが、耳触りの良い言葉、好きなことしか見ないだけではなく、嫌なことにもぶつかっていく気持ちも必要なのではないでしょうか。
創作者は、いつでも真摯に人間と向かい合うことが必要なことだと思います。笑いだって、本当に人間を見つめるからこそ生まれてくるものだと、ニールサイモンの戯曲からもわかります。