シナリオ・センターの新井です。
今年はシナリオ・センター創立45周年であり、創設者新井一の生誕100年の年です。
しつこいくらいですが、今年は言い続けます。
昨年から不定期にUPしている突撃インタビュー。
第1回目は、研修科の飯野講師。第2回目は研修科の藤本講師と本科の山田講師、
そして年明け一発目の第3回目は後藤所長にしてきました。
第4回目となる今回は、大ベテランの後藤所長から一転、まだまだ講師として初々しい内藤講師にお話を伺いました。
実は、内藤講師は、後藤所長のシナリオ作家養成講座を受講していたとか。その辺も含めて、根掘り葉掘り聞いてきました。
内藤―仕事で70点は出せてたけど、「好きじゃないと100点は出せないな」って思ったんです。じゃあ、「自分が100点出せるものって何だろう」って考えたんです。
新井
シナリオ・センターの講師って、もちろんシナリオを教えてくれるのは分かるけど、
実際はどんな人なの?ってところが少しでも伝わればいいなと思って対談しているんです。
今回で4回目になりますね。
内藤
改めて話すとなんだか緊張しますね(笑)。
「ケイコとマナブ」を読んで資料請求した時のシナリオ教室の号外を持ってきたんですよ。
話のキッカケになればいいなって。
新井
へぇ、よくとっていましたね。
また保存状態がよいですね(笑)
まじめなキャラ、出してきますね~。
内藤
いやいや(笑)。
私は大学卒業して、そのまま就職したのですが、働いて1年経った3月で仕事に一区切りつけて。
4月からのシナリオ・センターの作家養成講座を申込んだんです。
これはその当時のものですね。
新井
仕事を辞めるってなかなかの決断ですよね。
昔からシナリオが書きたかったんですか?
内藤
いや、「シナリオを書こう」って発想はもともとなかったですね。
シナリオが勉強できること自体知ったのが割と遅くて、大学に入ってからです。
新井
普通は、勉強するもんだと思ってないでしょうしね。
学べると知ったきっかけはあったんですか?
内藤
大学の時にコンクール受賞した方と話す機会があったんです。
その方に「勉強できるところがいくつかあるよ」と聞いたんです。
それまでは「シナリオが学べる」ってことも知らなくて。
ただドラマを見ることは昔から好きだったんですよ。
高校生の頃はトレンディドラマ全盛で「あれ観た?」って話題に出ることが多くて。
とても楽しかったなぁ。
新井
その頃のドラマの影響力ってスゴかったですよね。
視聴率20%越えとか普通だったり。
内藤
観ないと話題についていけない感じでしたよね。
私は脚本家の野島伸司さんが一番好きでした。
新井
「聖者の行進」「高校教師」、話題作が多いですよね。
内藤
中でも「人間失格」に衝撃を受けたんです。
こんなの放送してもよいのって思ったぐらい、スゴいセンセーショナルでした(笑)。
エンドロールが出るときに脚本「野島伸司」って出ていて。
私が面白いって思うものはこの人の作品が多いなっということに気づいたんです。
新井
そういうの、ありますね(笑)。
「ちょっと書いてみようかな?」なんて思いませんでした?
内藤
なかったですね。本当にただの視聴者でした。
脚本を書いている人なんて周りにいなかったですし…。
私の地元は田舎だったせいなのかな?
私自身「脚本家」っていう職業があることを知ったのはマンガだったくらいで。
高校生の頃に読んでたマンガの副主人公の職業が「脚本家」だったんです。
ただ、どう脚本家になったかなんて描かれていないから、なり方までは分からなかった(笑)。
新井
その辺の事情まで、マンガにでてこないですもんね。
内藤さんって地元はどこなんですか?
内藤
東京から電車で2時間くらいのとこですね。
新井
おぉ、人より豚が多いという、あの?
内藤
違います!牛ですよ!!(笑)。それに人の方が多いはず…。
スゴい田舎ではないですけど、やっぱり私にとってテレビ業界は遠いものでしたね。
脚本家はアーティストみたいに思っていました。
絵描きとかと同じというか。
新井
テレビ業界って、華やかな感じですしね。その中で脚本家ってミステリアスなのかな。
シナリオ以外になにか書いたりはしなかったんですか?
内藤
昔から文章を書くのは好きでした。
小学生の頃って読書感想文とか、日記とか苦手な人って多いじゃないですか。
私はスゴい好きで。先生とかに褒められることが多くて(笑)。
新井
ははは(笑)。
書くのって多分苦手な方が多いですよね。
文章を書くこと自体にはずっと自信があったんですね。
内藤
はい。それで小説も挑戦したんですが、長いものって勢いだけでは書けなくて。
最後まで書けないんです。才能がないからだと思ったりしましたね。
それでも大学生、社会人と大人になってからも、どこかでずっと「書きたい」って気持ちを諦めきれず。
…ずるずるしていました(笑)。
新井
なるほど~。
内藤
大学の成績も良い方だったし、就職しても上手くやっていたんです。
でも結局「そこそこ」で。
新井
基本的にまじめだから、勉強も仕事も「そこそこ」は行くけど……。
内藤
例えば、仕事でも頑張るのはノルマを達成するまで。それ以上は頑張れなかった。
同僚はノルマなんか関係なく働いていたりするのを観たりして…。
新井
その差は何だったんだろう?
内藤
やっぱり同僚は好きだったんですよね、販売の仕事が。
私との違いは「好きか、そうじゃないか」なんだって。
仕事で70点は出せるけど、私は「好きじゃないと100点は出せないな」って思ったんです。
じゃあ「自分が100点出せるものって何?」って考えたんです。
私は何か書きたいんだなって。そういえばシナリオを勉強するところがあるって大学時代に聞いたなって。
『ケイコとマナブ』を読んでたら「本当にある!」と。
新井
東京、すげぇなっと(笑)。
内藤
まあ(笑)。でもホントそうなんですよ!
すぐにシナリオ・センターの資料を請求しました。
仕事も辞めるようにシフトしていたので、4月から開始のシナリオ作家養成講座に。
「ちょうど通える、ラッキー!」みたいな感じでしたね(笑)
新井
(笑)。
そこで、「書きたい」と「ドラマが好き」だったことがクロスしたんですね。
内藤ー私も後藤所長に教えてもらった時のように生徒さんたちに最後まで「熱」を保ってもらえるように頑張っていますね。
新井
シナリオ・センターに実際に通ってみてどうでした?
内藤
「私のやりたかったことってコレじゃん」って。
講師があんまり言うと、嘘くさくなりますけど(笑)。
新井
でも、通い始めって半信半疑だったりするじゃないですか。
「本当に技術が身につけくの?」って?
内藤
それはなかったです。
出身ライターもスゴい方々ばかりだし、キチンと講座を受けてそれを活かすかどうか。
自分次第だって思っていましたね。
それに講義が毎回毎回、楽しくて楽しくて仕方がなかったですから。課題を出して添削されるのも楽しみでしたし。
新井
添削が楽しみって言う人多いよね。
自分の書いたものになんてコメントが書いてあるのか気になりますよね。
そんな機会あんまりないだろうし。
内藤
そうそう。
最初はスゴく不思議な感じがしましたね。
自信作より、時間におわれてパパッと力を入れずに書いたものが「よく描けています」って添削が返ってきたりして。
「なかなか自分の意図って伝わらないんだ」って思いましたね。
それは一人で書いていても分からないことだから。。
新井
僕はみなさんが添削読んでいるときの顔って、なんか好きなんです。
やっぱり皆勤賞を貰えました? マジメだし!
内藤
マジメキャラ推しますねぇ(笑)。
それが、一本だけ書けずに逃したんですよ~。
全部課題出して、出席もしないともらえないじゃないですか。
当時、企画書の課題があって、それだけはどうしても書けなかったんですよ。
出席は全部したんですが。残念でした…。
新井
企画書って難しいですよね。僕も、受講してた時、結構苦労しました。
「自分の作品をどう売り込むのか?」ってコツがいりますよね。
プロになっても苦労するところですし。
講義で印象に残っていることありますか?
内藤
うーん、全て印象的だったんですよね。
勉強していた当時のノート持ってきたんですけど……。
新井
また綺麗にとってありますね(笑)。何回も言います。
まじめですね(笑)。
内藤
いやいや(笑)。
これも時々、読み返しています。
新井
こないだ公開講座に来られた出身ライターの山本むつみさん(『ゲゲゲの女房』『八重の桜』他、脚本)もおっしゃってました。プロになってからも読み返すと。。
(ノートをめくりつつ)へぇ。
全部、印象的だったのはありがたいことなんですが…(笑)。
その中でも特に印象的だったものってありますか?
内藤
悩みますけど、一つあげるとするなら「構成」ですかね。
新井
僕も構成って好きですね。
構成はシナリオ以外のことにも使えますから。
内藤
応用が効きますよね。
私は小説とか長いものに使えるなって思いました。
新井
長編の小説を書こうとして、挫折した過去がある身としてはってことですね。
内藤
そうそう。
結果的に全くのシナリオ初心者だったことが私にとっては良かったのかなぁ。
教わったことがスッと頭に入ってきましたから。
新井
独学で勉強して余計な知識がつくと逆に学びにくいというか。
「それ知ってるわ」みたいな。
内藤
そうなりがちですね。。
でもせっかく学びに来てるんだから、全部初めて聞くことだと思って講座は受けた方が
絶対お得だと思います。
新井
講座はどなたが担当していました?
内藤
後藤所長です。
シナリオイズムがまるごと入っている人でした。
しかも純粋にシナリオが好きなんだって伝わってきて。「教えてあげているわよ」感が一切ないのも良かったです。
新井
別に講師って、えらいわけじゃないですからね。。
シナリオのことを受講生に教えられるだけで、人として偉いとか、そういうのじゃないですし。
そこは、新井一から後藤所長は引き継いでるでしょうし、小林代表も大切にしてるところですから。
内藤
最初から最後まで「熱」を持続出来たのって後藤所長の魅力が大きかったなって思います。
だから私も同じように生徒さんたちに最後まで「熱」を保ってもらいたいと思っています。
ただ、だ一回目の講義は原稿用紙の書き方から教えているので、
そこでシナリオ面白くないなって判断して欲しくないなって思います(笑)。
新井
おっと!5月のシナリオ8週間講座。お願いしますよ!!(笑)
まあ原稿用紙の書き方は説明が多くなる箇所ですからね。
でも簡単ですし、一つ一つ意味がありますから。きっと面白いですよ。
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シナリオ・センターの講師イズムは、脈々と受け継がれているように感じました。
新井一が亡くなってから、15年以上経ったいまも、こうしてシナリオ・センターが多くの出身ライターの方々に活躍頂けるのも、講師一人一人が、シナリオを書く楽しさ、技術が身につく楽しさを受講生の方々に伝えてくれてるからなのだと思いました(新井)
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