名月や
シナリオ・センター代表の小林です。昨日の中秋の名月は、雨かなあと思っていたら、雲は動きながらも、きれいなお月様を堪能できました。
お月見団子は、先週食べてしまい、ススキも飾ることなく、なんとなく眺めていただけの私のお月見でしたが、地方には、お月見泥棒という風習があるのだそうですね。
お月見のときは、御供え物を盗んでもいいという風習で、盗みやすいように縁側に置いておく。
その昔のお月見の時は他人の畑の芋を盗んでもいいという風習からお供えを盗むというように発展していたとか。
盗まれることは、五穀豊穣、豊作になる、縁起がいいとされ、お供え物を盗む子供たちはお月様の使者として迎えられているそうです。
今でも、子供たちは「お月見泥棒です」と声をかけて、お団子に限らず色々なお菓子などをもらっているとか。愛知、三重などには色濃く残っているようです。
なぁん~だ、渋谷なんかで騒がなくても、日本のハロウィンがちゃんとあるじゃないですか。
ハロウィンもいいですが、日本のお月見も広めたいですね。
お月見を大事になしないと「月にかわっておしおきよ!」
日本人は、教育もそうですが、日本のことを知ろうとしない傾向があります。
外国へ行って、外国人の方が日本のことをよく知っていて、恥ずかしい想いをされた方はたくさんいらっしゃると思います。
留学すると本当に恥ずかしいくらい日本人は自国のことを知らないことに愕然とするそうです。
どんな歴史であろうとドイツのようにきちんと向き合うこと、日本の四季折々の風習や伝統などを学ぶこと、己を知ることで初めて外が他人が見えてくると思うのです。
歌舞伎はいかが
先週、歌舞伎を観に行ってきました。「秀山祭九月大歌舞伎」
吉右衛門丈の「俊寛」が見たくて楽しみにしていました。
歌舞伎は、同じ演目を色々な方が演じる、その屋号によって演じ方も変わるので、何度見ても面白いものです。
「俊寛」は近松門左衛門の名作です。
「俊寛」は、ラストの見送る場面が大きな見せ場です。
このときの俊寛の演技がとくに演者によって違います。 亡くなった勘三郎丈の俊寛は、ちょっと派手で大好きでした。
でも、吉右衛門丈の見送りは、悲嘆の表情を浮かべつつ、声もなく見つめるのです。見事にまったく違う吉右衛門丈の俊寛に孤独の姿がにじみ出ていて胸に迫り、さすが!と感動しました。
どちらの俊寛も、見せ方は違うのですが、孤独と悲嘆にくれる姿をみせつけ観客を圧倒します。
歌舞伎は、ちょっと敷居もチケット代も高いように思われますが、一幕見ですとか3階席ですとか安く、手軽に見ることもできます。
私は、耳が悪いので字幕ガイドを借りますが、初心者の方は、字幕ガイド、イヤホンガイドなどで、筋立て、セリフを読んだり聞いたりすると、より楽しめます。
落語と歌舞伎は、日本文化を知る上でも、若い方々には観て、聴いていただきたいと思います。文楽も素晴らしいです。
日本の文化は、楽しみながら、知っていくのがよいと思います。
私は大学のとき、お能が好きで謡曲を習っていたにも関わらず、お能を見に行くたびに寝てしまい、毎回己を恥じておりましたが、過日、オペラ通の方が「オペラを聴きながら寝るのは気持ちが良い」とおっしゃっていたのを聴きして、「寝てもいいんだ」とすっかり安心。(笑)
肩ひじ張らずに、色々なものを見たり聞いたり、チャレンジしていけばいいいのですよね。