自分史講座
シナリオ・センター代表の小林です。今日は「一億人のシナリオ。」プロジェクトのひとつ、シナリオを使った自分史講座を行います。
千代田区の生涯学習教養講座のご依頼で、シナリオで自分史を面白く作れないかということで、「私の人生をシナリオの技術で語る~写真でたどる自分史~」というものをやらせていただくことになりました。
長~いタイトルのわりに、何をするのか一目でわからないところが気になるところですが(笑)、それでもありがたいことに千代田区に在住在勤の受講生の方々が集まってくださっているそうです。
自分史は、その昔、皮革厚生年金基金のご依頼で厚生年金受給者の方々にお教えさせていただいたことがあります。その時は、年表づくりとほぼ文章教室のようなものでした。
やらせていただきながら、自分史は難しいなあと思いました。
というのは、自分で自分のことを一人称で自分視点で描くので、どうしても自分本位になって、他の方に伝わらないのです。自慢話に聞こえたり、本人だけが大変な感じの苦労話だったり・・・。 記録として自分だけがわかればというのなら別ですが、他人にわかってもらいたい、伝えたいとなると難しい。
そこで、シナリの登場となるわけです。(笑)
人間を描く
シナリオを使って、人に伝わる自分史を目指したいと思っています。
なぜ、シナリオが自分史によいのかと言ったら、シナリオは絶対に一人称で書かないから、いや書けないからです。
登場人物一人一人のキャラクターがどのように動くか動いたか、なんらかの石を投げたときにどんな波紋が起きるのか、俯瞰で書かなければできないのですね、シナリオは。
なので、自分史は自分のことを書くのですけれど、客観視しないと人には伝わりません。
シナリオを使うと自然と俯瞰で見る、客観視しなければ書けないというわけです。
また、どうしても「こういうことがあってね」と説明になりがちですが、シナリオを学ばれている皆さんはおわかりのように、説明ではつまらない、説明ゼリフは聞きたくないわけで、それをどれだけ説明ではなく伝えられるかがポイントになります。
というわけで、シナリオの技術を使って、自分史を作っていただこうというわけです。
今回のポイントは、自分史を読んだ方の頭の中に映像が浮かぶようにすること・・・イメージが湧くように描くということです。
そのために、キャラクター、その方の背景事情を描けるようにする。
見せたいシーンを、遺しておきたい、誰かに伝えたいシーンを明確にして、そこに向かって描く。構成をたてるということです。
そして、最後はナレーションを創る、またはシナリオで描きながら、持っていらした写真を見せていくという発表をしようかと考えています。
シナリオは、人間を描くことですから、どんなもので使えるのですね。
昨日、たまたまAIの話をテレビで観ながら、人間でしかできないこと、AIより優っていることはなにかと思わず考え込んでしまいました。
人間の感情に関わることはすべて計算外、想定外ばかり。表面に出てこないものを察知するというのは、AIにはできないことだと思うのですが、人間もできないかぁ・・・。(笑)
人間が人間らしく生きるためにはどうしたらいいのか、人としてどう生きるか、ある意味AIに突きつけられた気がしました。
今日は、一番人間らしいお話を受講生の方からお聞きできることと楽しみにしています。
受講生の方々がどんな人生を歩まれていらっしゃったのか、その人生がお子さんやお孫さんに伝わるような素敵な自分史を書いていただこうと思います。