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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

想像力は他人を想う心。

カジノ王と借金キング(セシル文庫刊)

物語性

シナリオ・センター代表の小林です。シナリオ・センターの前にあるカフェはイベントカフェです。
毎回色々なイベントに使われているのですが、昨夏は、坂口理子さん脚本の映画「メアリと魔女の花」も1ヶ月くらいここでイベントをやっていらして、その間、センターの正面にはポスターを張って盛り上げてみました。 映画の宣伝をもちろんお手伝いさせていただいたわけですが、ついでにセンターの宣伝にもなったかも。(笑)
今日から始まったのは、じゃがりこカフェ。初めて知ったのですが10月23日がじゃがりこの日なのそうです。
マスコットのじゃがお(キリン)やリスの着ぐるみを着て、道路で呼び込みをされていて、子供たちの嬉しそうな声が響いてきました。
こちらは、残念ながらシナリオ・センターとは何も関係ありませんが、どんなものでも、その店なり商品に「物語」を作ると魅力的になるのだと思いました。

ボーイズラブ

通信作家集団の夢咲まゆさんがBL(ボーイズラブ)小説を上梓され、持ってきてくださいました。
「カジノ王と借金キング」(セシル文庫刊)
父親の借金のかたに日本初のカジノ「エルドラド」のオーナー龍牙に一億円で買われてしまった馨。
入社式にでたばかりの会社もやめさせられ、アパートも引き払わせられ、住み込みで龍牙の甥の小学生一輝の面倒と龍牙の身の回りの世話をさせられる。
気の良い馨は、仕方がないとひたすら尽くすが、ミスも多くそのたびに龍牙にお仕置きとして犯されてしまう。最初は、男が男に???とあまりのことに驚き逃げ惑う馨だが、だんだん・・・。

今人気のBL小説ですが、夢咲さんのすごいところは、BLにまともな(笑)子育てをプラスし、主人公、相手役のキャラクターを際立てているのです。
消えてしまった父親は、男手ひとつで自分を育ててくれたこと、片親だけに寂しい想いをしたことなどの彼の背景が、馨のキャラクターを形成しています。
だから、父親の借金のかたにすごく理不尽な目に合っているにもかかわらず、龍牙に対しても好意を持ち、父親を恨むでもなく、同じような境遇の一輝も一生懸命育てようとします。
BL小説独特の性描写の面白さだけでなく、登場人物へ感情移入できるようにきちんと背景事情を作っているところに、一味違ったBL小説となっています。

ボーイズラブは、小説よりも漫画の方が人気のようですが、圧倒的に女性に人気なのだそうで、作者も編集者も女性が多いと聞いています。
シナリオ・センターでも、LOVE系は女性ライターが多く、ライターズバンクにもオファーをいただくこともあります。
生産性がないと認めない方もいらっしゃいますが、型にはまった考え方ではなくもっと多様に広げていくことが大事だと思います。 想像力の欠如は、世の中を悪く、狭くします。
夢咲さんのBL小説「カジノ王と借金キング」お楽しみください。

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