そもそも会議のイメージって…
シナリオ・センターの新井です。
「会議」というと、どんなイメージがあるでしょうか。多くの場合、楽しいとかワクワクするとかよりも、ネガティブなイメージの方が強いのではないかと思います。ですが、大なり小なりどんな企業にも、「会議」はあります。
そもそも「会議」とは…
1.関係者が集まって相談をし、物事を決定すること。また、その集まり。
2.ある事柄を評議する機関・組織
出典:デジタル大辞泉(小学館)
なんか、この時点ですでに、堅苦しくてつまらない感じがしてきます。
おそらく、もっといい会議、意味のある会議はできないものか……と、誰もが思っているのではないかと思います。
そんな中、会議をサッカーのメタファで再構築することで、会議をスポーツ・エンターテイメントにすべく、メソッド化を試みる酒飲みたちの秘密結社?のような『蹴球会議』なるものに参加してきました。
参加者もなんか、すごいんです。OQTAHATOを開発した高橋さんとか、大手広告代理店のコピーライターの方とか、コンサルタントの方とか。なにより、面白い人たちです。
OQTAHATOについてはこちら>>OQTAのキズナ聞こえる鳩時計 の開発秘話を聞いてきた
そこでの気づきを、ドラマのメタファも加えながら、新井なりにレポートします。自社の会議がつまらない、という方は、是非参考にしてください。会議そのものが変わるかもしれません!
会議の種類とは…
世の中には、多くの会議があるかと思います。それこそ、国際会議から井戸端会議まで。
『蹴球会議』では、会議にはある程度の型があるのではないか、という話になりました。
そこで整理していくことに。
■(情報・状況)共有型
おそらく多くの企業で最も為されているのが、この共有型ではないでしょうか。そして、共有型は確認事項などが多いので、あまり参加者にワクワク感がないように思います。簡単に言えば、つまらないやつです。
サッカーでいえば、バックラインでボールを回している状態に近いのでしょうか。
■ブレスト型
企画などを考える際の会議の立ち上がりに、多くされているのがブレスト型ではないかと思います。クリエイティブな業界の会議は、このブレスト型が多いかも知れません。発言がしやすい心理的安全性が担保されていれば、ブレスト型は盛り上がる可能性の強いスタイルといえます。
上手くいく場合は、こんな感じかと思います>>シナリオで探す「北欧、暮らしの道具店」「BRAND NOTE」のフィットすることば
一方で、アイデアが出てこないと、地獄と化すのもブレスト型の特長といえるでしょうか。
サッカーでいえば、多くのプレイヤーにボールが回らないと意味がない状態です。一人がボールを持ちすぎていると、つまらなくなってしまいます。
▼盛り上がってるときは、こんな感じ?こちらもクラシコムさんでの模様です。
■収束型
収束型は、ブレスト型とは逆に、出てきたアイデアや意見などをまとめている段階でしょうか。広げた思考を整理していく段階とも言えそうです。沢山あるポストイットの中から、選んでいくようなイメージでしょうか。
こちらもいい例>>「BRAND NOTE PROGRAM」にフィットする営業資料作り
収束型は、そのプロセスの中に、参加者の納得感がないと白けた雰囲気になってしまいそうです。
サッカーでいえば、ゴールに向かっている状態と言えそうです。
■提案型
提案型は、ある程度アイデアなどが煮詰まった状態で、相手に新しい価値を提示する型といえます。会議の時間は比較的短くなる傾向にあります。
提案型は、提案が採用されればうれしいですが、そうでない場合は最悪の気分になります。しょうがないですが…
また、提案に盛り込まれなかった部分が、次に取り組むべき新たな課題となる場合もあります。
サッカーでいえば、まさにゴールを入れるか否か…一番盛り上がるシーンです。
ひとつの会議内でも4つの型が活きている
会議の種類を整理していく過程で、気づいたことがあります。お気づきでしょうか。
それぞれの型が、実は一つの会議の中でも行われているということです。
例えば、会議の目的が何であれ、
①情報や状況の共有が行われ、
②解決案などをブレストし、
③出てきたアイデアを収束し、
④決定!
⑤次回の検討事項を確認して、終わる
となるわけです。
ここにサッカーの要素を加えていくと、
①情報や状況の共有が行われ、(バックラインでもボール回し)
②解決案などをブレストし、(前線から中盤まで全員がボールにさわる/さわらせる)
③出てきたアイデアをまとめ収束し、(攻め上がり)
④決定!(ゴール)
⑤次回の検討事項を確認して、終わる(ニヤニヤ。次の試合の準備)
となります。
会議の流れは、ドラマの構成とも実は一緒
サッカー詳しくないよ、という方は、ドラマの構成で考えてみてください。こんな感じになります。
起(天地人など設定の紹介):①情報や状況の共有が行われ、
承(様々な問題にぶつかる):②解決案などをブレストし、
承(クライマックスへの盛り上げ):③出てきたアイデアを収束し、
転(テーマが伝わる):④決定!
結(テーマの定着と余韻)⑤次回の検討事項を確認して、終わる
ほら、構造は一緒です。
会議の中に、エンタテイメントの要素があるような気がしてきませんか。きっとそれ、気のせいではありません。
ドラマの構成を使って、会社案内だって作れます。>>ドラマの「構成」を活かして作る営業資料・会社案内
そもそも「会議」の「議」ってなに?
とはいえ、サッカー要素を加えても、ドラマの要素を加えても、これだけだとまだまだ、「会議」が面白いとは言い切れません。なぜだろう…
そんな中『蹴球会議』のメンバーの中で、ふっと、こんな疑問が浮かびました。
そもそも「会議の『議』って、どんな意味なんだろうね」
そこで、調べたところ
「『議』は、「正しい」という意味の「義」に言葉を表す「言(ごんべん)」を組合わせて、正しさを求めて話し合うことを表す」
『漢字なりたち図鑑:形から起源・由来を読み解く』(誠文堂新光社)より
なんだとか。なんか、チョーかっこいいんですけど!
なるほど!そうなんです。
「会議」というのは、それぞれが持ち寄った正しいと思うことを、言葉を尽くして、参加者の納得を求めることなんです!!しかも、わざわざみんなで会って、顔を突き合わせて。
なんか、「会議」の本質を理解したら、世界は良い方向意外に進みようがない気がしてきませんか!?
「会議」を前にして、私たちが忘れているのは、言葉を尽くすこと、そして、現時点での参加者の納得を求めることなんです。
その結果生まれるのが、ゴール!美しき、私たちの1点!!
その時の納得具合は、「それ、いいね!」とか「なんかその結論、気持ちいい!」みたいな感じになるのではないでしょうか。会議が終わって、みんながニヤニヤしてしまうような。
▼「会議」の神髄が書き足されまくるホワイトボード
言葉を尽くす集団が、世界を変えるかもしれない!
「会議」参加者が、思わずニヤニヤしながら会議室を出ていくためには、
・参加者のモチベーションを上げるアジェンダをつくること
⇒サッカーでいえば、ロッカールームでの監督の役割
・参加社自身が自分の意見を持つこと
⇒サッカーでいえば、自分のプレーを発揮すること/期待に応えること
・場面に応じて適切な発言をすること
⇒サッカーでいえば、自分のポジションの役割を全うすること
ワクワクドキドキが止まらない「会議」にするには、言葉というボールを、誰もが自分の役割を心得たうえで扱い、時にオーバーラップやサイドチェンジを駆使しながら、連携して、ゴールをゲット!最後はみんなで、ニヤニヤするという経験を繰り返していくことです。
つまらない「会議」にありがちなのは、誰か一人がボールを持ちすぎていたり、限られた人だけでゴールが決められたりするからです。そんな会議=試合はつまらないに決まってます。
なぜなら、「会議」というのは、それぞれが持ち寄った正しいと思うことを、言葉を尽くして、参加者の納得を求めることなんですから!
「会議」が変われば会社が、いや、社会が、世界が変わるのではないでしょうか。
「会議」を、サッカーの試合や、ドラマのように考えていけば、参加者がワクワクドキドキするすごい会議ができるようになります。
私も、そんなエンタテイメント性のある会議をやっていきたい!そう思うシナリオ・センターの新井でした。
『蹴球会議』では、もっと色々な盛り上げ方法や仕掛けにも気づきましたが、それはまた別の機会にお伝えできればと思います。