アニメシナリオを書くポイント:
構成だけでなく主人公のキャラクターにも起承転結!
事務局の齋藤です。
11月9日から29日まで、アニメシナリオ講座(毎週火曜日・全4回)を実施しています。今年2016年のアニメシナリオ講座は、アニメ界で活躍中の出身ライターさん計4人をお迎えします。
第1回目のゲストは『弱虫ペダル』『劇場版テニスの王子様』『ナンバカ』などの脚本を手掛けた広田光毅 さん。講義のテーマは「広田光毅の流儀~汗と涙と、仲間だ!」。
講義の中で、キャラクター構築について広田さんならではの流儀をお聞きすることができました。皆さんは、主人公のキャラクター、どういうふうに作っていますか?
履歴書をつくりますか?
それとも、自分や身近な人がモデルですか?
キャラクターを作るのって難しくありませんか…。
例えば、主人公は女性にしたい。
二面性をもたせて魅力的な人物になるように、辛い生い立ちだけど明るくて、美人だけど本当は性格が悪く て、歌手になりたいけど女優にもなりたい女性。
どう思います?
今までなかったような主人公を作ろうとして色々足してみましたが、要素を増やしていくほどキャラクター が見えなくなってしまいました…。
どうしたらいいのでしょう。
主人公のキャラクターはシンプルにすべし!
広田さんはどうするかというと……
【主人公のキャラクターはシンプルにしたほうがいいと思っています。それは、複雑な設定でない方が視聴者は感情移入しやすくなるからです。もう1つの理由は、主人公のキャラクターの起承転結が作りやすくなるからです】
主人公のキャラクターの起承転結?
キャラクターにも起承転結があるなんて!
知ってました?どういうことでしょう!?
広田さん流・主人公のキャラクターの起承転結とは、
・起=主人公の根底にある性格
・承=作品・物語における主人公の役割
・転=主人公の悩みや挫折や葛藤
・結=主人公の成長と変化
の4点。
キャラクターの起承転結なので、『シナリオの基礎技術』にある起承転結とは少し異なりますが、主人公の キャラクターを4つに分けてみると、漠然と考えていくより、人物像がはっきりするかもしれません。
広田さん流で、主人公を考えてみると…
早速試してみましょう。
例えば、
・起=明るい性格
・承=地球を守る役割
・転=暗闇が怖い
・結=暗闇で敵を倒せるようになる
こんなふうに、大まかな主人公のキャラクターをつくってみる。
そして、人物表のど真ん中に置いてみる。
とすると、
ライバルはどんな感じ?
恋人は?
友達は?
親は?
と、どんどん派生していくではありませんか!
これはすごい。
この発想に加えて、
【起承転結で設定したシンプルなキャラクターからブレないようにすることが大切。そして、逆に、主人公を取り巻く他の登場人物たちは複雑な性格もしくは複雑なバックグラウンドをもったキャラクターにしてみる。すると、ブレない主人公とぶつかり合うことで、脇役も成長したり、脇役と絆がうまれたりして、物語が1つの方向に転がっていきます】と広田さん。
そうか!
広田さんの『弱虫ペダル』の主人公とその仲間たちも、『劇場版テニスの王子様』の主人公とその仲間たちだって、そうでしたよね!
好きなアニメの主人公とその仲間たちも思い出してみてください。
お馴染みのメインキャラクター、それを取り巻く登場人物たち、いえいえそれだけじゃなく、実写ものの主 人公だって、これに当てはまりますよね。
ドラマを書くことは、「ストーリーを作る」のではなく「キャラクターを作ること」という意味を再認識させていただきました。
主人公のキャラクターを作るとき、履歴書を作るのもよし。
実在の人物をモチーフにしてもよし。
でも、今度からこの方法、「主人公のキャラクターを起承転結の4つに分けてみる」もやってみてください!
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どのコースでも、魅力的なドラマを作るための技術を学べます。
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