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勉強になるドラマ !/脚本家・本田隆朗さんコメント

勉強になるドラマ 『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』

なだめ行動。マイクロジェスチャー。3つのF。

このワードにピンときたアナタ。
観てますね、現在放送中のドラマ『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』(BSテレ東/毎週土曜日21時)。

小説『行動心理捜査官・楯岡絵麻』シリーズ(佐藤青南・著/宝島社文庫)をドラマ化した本作。
出身ライターのブラジリィー・アン・山田さんと本田隆朗さんが脚本を担当されています。

主人公の楯岡絵麻は、被疑者を100%自供に追い込む行動心理捜査官。
取り調べの腕はピカイチで、エンマ様と呼ばれているほど。
でも、取り調べの冒頭は、その真の姿は隠されたまま展開していきます。

例えば、脚本家・本田隆朗さんが担当された第1話『YESか脳か』では、取り調べの冒頭、イケメンの被疑者に「彼氏いる?」とイチャイチャ。どうでもいいような会話に聞こえるものの、この遣り取りから被疑者が無意識にとる表情・仕草のサンプルをしっかり収集。
犯人だと確信すると突如、これまでの態度を一変。エンマ様の本領発揮となります。

このときに使われるのが、さきほど挙げた3つのワード。

■なだめ行動:人は嘘をつくとき、多かれ少なかれ、ストレスが発生する。そのストレスを解消する仕草がなだめ行動。つまり、なだめ行動が出た場合、その人物は嘘をついている。

■マイクロジェスチャー:約1/5秒、一瞬だけ表れる身振りや表情の変化。隠された本心が顔を出すサイン。

■3つのF:危険を察知した動物の行動はFのつく3つの段階(Freeze・Flight・Fight)を踏むと言われている。
(引用:ドラマ『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』・楯岡絵麻のセリフより)

心理学に門外漢なら特に知識欲が刺激され、「そうなんだ!」のオンパレード。
勉強にもなるし、どんどん引き込まれます。
こういった勉強になるドラマの脚本を、どんな想いを込めて、どう書いているのか、気になりますよね。

そこで今回、出身ライターの本田隆朗さんに5つの質問、させていただきました。コメントをご紹介。

脚本家・本田隆朗さんに5つの質問

――Q1:ドラマ『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』の注目ポイント

〇本田さん:毎回様々なゲストと、主人公との一対一のガチンコ勝負が繰り広げられます。
主人公が、行動心理学ならではの罠を仕掛けたり、推理と相手の反応(マイクロジェスチャー)に矛盾があって苦しんだり、取調室という密室で、真実を明かそうとする刑事と、真実を隠そうとする容疑者の攻防戦を楽しんでいただけたらと思います。

――Q2:「ココは外せなかった!」というシーンはありますか?

〇本田さん:刑事と容疑者のバトルを盛り上げたいという想いがあり、それを特に表現できたのが、第5話の天才少年との対決でした。
主人公の武器の1つである3Fで少年を追い詰めたり、そのあと逆に少年に3Fを使われて追い詰められたり、そういったマウント合戦を描けたことが嬉しかったです。

――Q3:思い出に残るご執筆中のエピソードはありますか?

〇本田さん:今回、今までの仕事の中でも一番打ち合わせ中の発話量が多かったように思います。

いつもプロデューサーの方の意見を聞いてばかりだったので、このままじゃいけないと意識的に変えてみようと思いました。

そしたら、つい言いすぎて反省することもあったのですが、やはり打ち合わせで積極的にコミュニケーションを取った方が、納得がいくもの面白いものを作れた実感がありました。

※You Tube
BS TV TOKYO
土曜ドラマ9 「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」 第1話 | BSテレ東

 

――Q4:このドラマは小説『行動心理捜査官・楯岡絵麻』シリーズを映像化した作品。原作を脚色する際に特に気を付けたことはありますか?

〇本田さん:原作を読んだときから、とても面白かったので、その気持ちは忘れないように心がけました。

ドラマ化するにあたって、どうしても原作から変えなきゃいけない部分があり、その整合性を考えているうちに原作の良さから

意識が離れてしまい、プロデューサーの方に「原作に立ち返ろう」とその都度舵を取っていただき助かりました。

各話に読者を驚かせる仕掛けが必ずあったので、脚本を書くときはそこを盛り上げることを意識しました。

――Q5:シナリオ・センターの後輩にひとこと!

〇本田さん:打ち合わせがうまくできなくて、悩んでいる人はたくさんいると思います。

僕もその1人で、“こんなこと言ったら嫌われるかな” “バカだと思われるかな”と意見や反論を飲み込んでしまい、書くときに苦しんでいました。今の事務所の方に「嫌われてもいいから喋っておいで」と言っていただき、振り切ることができました。

思い切って話してみることが、楽しく仕事できるようになるきっかけかもしれません。

僕もまだまだ打ち合わせに苦手意識がありますが、少しずつ克服していこうと思います。

※ドラマ『サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』詳細はこちらの公式サイトで。

※そのほか脚本家・小説家・映画監督の出身生コメントはこちらから。
シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメント記事一覧『脚本家 ・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』をぜひご覧ください。

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