選評
シナリオ・センター代表の小林です。フジテレビヤングシナリオ大賞の授賞式が行われました。
通信作家集団の沖原佳世さんが「笑顔のカタチ」で佳作を受賞されました。
おめでとうございます。
「家族のあり方という永遠のテーマを独自の視点と設定で暖かく描いている脚本。ストーリーの設定に斬新さはないものの、それを補ってあまりある優しさ、ぬくもりを感じさせる。日々の中で小さな喜びをまっすぐに捉えている作品。」
との選評をいただきました。
この選評を読ませていただいて、私はとっても嬉しかったです。
というのは、「ストーリーの設定に斬新さはないものの、それを補ってあまりある優しさ、ぬくもりを感じさせる」という一文です。
とかく設定が斬新なものを求められがちですが、ドラマというものはそこではないと思っています。
選評で言う優しさ、ぬくもりを感じさせる・・・実はここがドラマの一番のところなのです。
ドラマは人間を描くことです。主人公がどんなキャラクターで、どういう人たちと出会い、どう生きてどう変化していったか、そのディテールを描くことが大事なところです。
もちろん斬新な設定があっていいのです。ですが難しいのは、斬新であればあるほど設定に縛られて、引っ張られ過ぎて人間を描くことを忘れがちになるのです。
何度もいいますが、ドラマは人間を描くことです。
明日に
今回の大賞はなんと中学生のお嬢さん(執筆当時13歳だそうです)で、初めてシナリオを描かれたとのこと。坂元裕二さんをリスペクトしていらして、坂元さんの19歳受賞の記録を破られたそうです。
将来が頼もしい。それにしても、昨今の14歳の活躍には目を見張りますね。
たくさんの経験を積んで、色々アンテナを張って引き出しをいっぱい作って、素敵な脚本家になってもらいたいものです。
フジヤングシナリオ大賞からは、たくさんのシナリオライターを輩出してきました。プロになられた方は45人だそうです。
そのうち、加藤美知代さん、池田晴海さん、武井彩さん、山浦雅大さん、古屋和尚さん、門間宣裕さん、根津理香さん、高橋幹子さん、桑村さや香さん、阿久津朋子さん、小山正太さん、橋部敦子さん、いずみ吉紘さん、黒岩勉さん、臼田素子さん、真野勝成さん、宇山佳佑さん、岡田道尚さん・・・18名のシナリオ・センター出身の方々が活躍されています。
沖原佳世さんの今後が楽しみです。
これからも魅力的なシーンを描いてください。