そろそろドラマが
シナリオ・センター代表小林です。最近ドラマがまた面白くなってきたように思います。
7月期は、森下佳子さんの「義母と娘のブルース」が久々の大ヒットとなりましたが、今期も橋部敦子さんの「僕らは奇跡でできている」が話題になっています。
ドラマが面白いとテレビを見るのもワクワクします。
バラエティも好きですが、毎日毎日となると、さすがにそうは面白くもなく、目新しくもなく、同じタレント、芸人さんの顔ばかり見ていてもちょっと飽きてきます。
でも、ドラマなら、ラブストーリーからサスペンスから時代劇から青春もの、ホームドラマと色々あるじゃないですか。飽きません。
今年は随分と出身ライターの皆さんが映画を描かれました。そろそろ今年も終わりに近づき、フィナーレも皆さん、大活躍です。
11月1日から上映されているのは、松井香奈さん脚本「ビブリア古書店の事件手帖」、11月23日から公開された「家族のhなし」は青塚美穂さん。
12月も、7日からは門間宣裕さんの「来る」、14日からは「春を待つ僕ら」おかざきさとこさん。
小山正太さん・杉原憲明さん脚本「ニセコイ」は12月21日公開。出身ライターのおふたりが書かれているというのも嬉しくなります。
ドラマも映画も楽しくなってきました。来年はもっと期待できそう。
オマージュ
たまたま『「朝ドラ」一人勝ちの法則』(指南役著)という光文社新書から出ている本に出会いました。 朝ドラと銘を打っていますが、ドラマそのものを面白くする方法がわかりやすく分析されていました。
朝ドラもほかのドラマも本質は同じですからね。
一言でドラマを面白くする方法は「戦争が物語を作る」と書かれています。
もちろん、戦争を描けばいいと言っているのではありません。
戦争や災害のように個々の人間の努力では到底抗えない、時代の荒波によって物語が生まれるというのです。
ドラマは、葛藤対立相剋と言われます。この3つが大きければ大きく描くほどドラマは面白くなるのですから、当然カセになるものが強ければ強いほどドラマは盛り上がりますものね。
また、面白いドラマづくりは「温故知新」と言っています。
かのシェークスピアは、物語は36パターンといっています。 とすれば、「旧作をオマージュしつつも、それに現代要素を加味したり、舞台設定に基づいて内容をアレンジしたり、役者に合わせて当て書きしたり、バージョンアップすることが肝要なのだ。それらの一連の作業が「クリエイティブ」となる。」
要は、お話そのものは36パターン(新井一は23通りと言っています)、でも無限大にドラマがあるのは、様々な局面の組み合わせと誰ひとり同じでないキャラクターが創っているということです。
古今東西の名作や名画を見て、そこから学ばれるということがどれだけ大事なのかということがこの本を読んでいてとてもよくわかりました。
時々脚本術の本を読んだりしていますが、この本を読んで一番嬉しかったのは、脚本家をリスペクトしてくれていることと、なにより脚本が一番大事だと言ってくれているところ。
そして、若手のライターが頑張ることで脚本家の時代を創れると言っているところでした。(笑)
みなさん、頑張りましょう!!