雪が降る♪
シナリオ・センター代表の小林です。2月です。2月らしいです。寒いです。雪も降りました。
山梨からいらしている作家集団の方が、「山梨は5センチくらい積もって、高尾くらいまでは積もっていたけれど、東京の中心にきたらかけらもないんだね」と笑っていらっしゃいました。
ちょっと離れているだけでも気候は違う・・・こんなこともドラマのネタになりますね。
サスペンスもラブストーリーもすぐ浮かんできます。
本科でも「雪」「雨」という課題があります。
創作の面白さは、なんでもとりこめることかもしれません。ものを書こうと思うと、今まで気がつかなかったもの、目につかなかったものが自然と飛び込んできます。
シナリオ・センターがひたすら課題を出して書いていただく意味はここにあります。開講の時にいつもお話しさせていただいています。
課題があると、例えば「雪」だったら、どんなシチュエーションにしようか、どこで使おうか、どんなジャンルで?サスペンス?ラブストーリー?雪って言っても、ドカ雪?淡雪?初雪?どんな雪の種類?どんな雪の状況を使おうか、いろいろ考えます。
今までなんとなく過ごしていたこと、今までぼんやりと思っていたこと、今まで気にも留めなかったこと、今まで自分の生活の中になかったこと、あんなこともこんなことも気がつくようになります。
課題は、深く掘り下げる、広く見渡すための方法なのです。
楽しみながらアンテナを張りめぐらして、シナリオに取り組んでいただきたいです。
一の一歩
2月1日なので、新井一の一(はじめ)の一歩をお話したいと思います。
具象化するのが映像表現です。みえるものしか映せないのですから。
新井一は、如何に具象化するかを、うるさく言っていました。
同じ「かく」でも映像では「描く」であり「書く」ではないのです。
例えば「幸恵がリビングでくつろいでいる」というト書。なんとなくわかるような気がします。
ですが、映像になったとき、どんな絵になっているのでしょう。
くつろぐ・・・人によっていろいろなくつろぎ方がありますね。
実は、このくつろぎ方ひとつで幸恵のキャラクターが出るのです。シーンは無駄なシーンは必要ありませんから、このくつろぎ方もドラマ進行させるためポイントにならなくていけません。
ですから、具体的にはっきりと描かなくてはいけないのです。
「パジャマ姿でソファーに寝そべりながら、ポットチップを袋ごとほおばっている。テーブルの上には、食べ終わったカップラーメンが転がっている」とか。
こう描くことによって、教養のある人か、常識はずれの人か、だらしのない人かさらにその人の普段の生活もうかがわせることができるのです。
研修中の習作はもとより、案外コンクール入選作品でも、抽象的に書いて済ませてしまっているものが多いです。
シーン一つ一つの積み重ねがドラマです。シーン一つ一つ大事にかいてください。
抽象から具象、具体的なト書から始めましょう。