笑顔を創る
シナリオ・センター代表の小林です。台東区商店街振興組合でお話しをさせていただき、シナリオの構成の部分を使って、「台東区の〇〇にまた来たいな」と思わせる承を創るというワークショップをやっていただきました。
みなさん、どの場所にしようか、どのお店にしようか、頭をひねりながら書いていただき共有することで、「あら、あの店ね」「ああ、そういうこともやっていたなあ」とか自分以外の方が書かれたものをみて、大盛り上がりをしていました。
承の決め手は「人」。その場所でこの店で、なにが思い出になるかといえば「人」なのです。
「75歳の源治さん、45歳の良子さん、孫娘の19歳の華さんの3人で浅草に出かけます。食べたいものも買いたいところもどこも人があふれていて、並んでいます。観光客でいっぱいの浅草雷門の前ですっかり疲れてうんざりしていたら、「写真を撮ってもらえませんか」と外国人の方に声をかけられて、一眼レフなのでカメラ好きの源治さんが手際よく写真を撮ってあげると、とても喜んでお礼に3人の写真を撮ってくれ、気持ちよく別れます。3人はこんな出会いもあるのだったら、また来てみたいねと。」というシナリオを書かれた方もいらっしゃいました。
7段階も抹茶の濃さがあるアイスクリーム屋さんの話、合羽橋でのサンプルづくりを体験する話など。そこに人が絡んでくると急にドラマになります。
帰り際に、「シナリオを書けるとは思っていなかったけれど、案外描けて自分でもびっくりした。楽しかったです」、「人生のシナリオもしっかり描きたいと思いました」などなど参加者の方々から暖かいお声をかけていただき、嬉しかったです。シナリオ・センターで学びたいという方も。ありがとうございます。
あれもこれもシナリオで
研修の場合は、オファー先のテーマに合わせて研修の内容を考えます。
シナリオ・センターの研修は、シナリオの発想を使って、実際にシナリオを書いてもらって・・・というどこでもやらない研修方法です。
営業の本によく書いてある「お客様の気持ちになって考えよう、提案しよう」
確かにその通りです。
でも、どうしたらお客さんの気持ちになれるでしょう。そこを実際に考られるのがシナリオなのです。
どのシナリオの技術を使えば、このテーマを明確に伝えることができ、実践していただけるかということだけを考えて研修内容を創ります。
そのおかげで、研修を始めてから、シナリオの授業以上に「シナリオの基礎技術」を読み込んでいます。
不思議に思われるかもしれませんが、ドラマは人間を描くだけにシナリオを書く技術が、人間の営みすべてに役に立つようです。
もちろん、本業である「ライターの力を引き出すディレクション講座」もさせていただき、ありがたいことに好評を得ております。
昨今では、ディレクション研修だけでなく、その前後にシナリオ8週間講座を受講して下さる企業様も増えてきました。
実際にシナリオを書いてみると、シナリオライターの気持ちがわかるだけでなく、漠然と「こうしてほしい」と思っていたことを「なぜ」こうしてほしいのかということを伝えることができるのです。
感覚で指示していたことをロジックで伝える、感性はシナリオライター自身が持っているものです。それを生かすのがディレクションですから。
シナリオの技術は伝えるための技術。あんなことにこんなことにも使ってほしいです。
日本中の人にシナリオを書いてほしい・・・ああ、また国会中継を見て思ってしまいました。