menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

脚本家

出身ライター岡田惠和さん

回想はだめよ

シナリオ・センター代表の小林です。今朝は、来年創立50周年になるので、5年ごとに開催している創立パーティーの会場を見に行きました。
来年はオリンピックと重なるので、いつやればいいのか、どうやればいいのか、色々面倒な制約などもあるようで・・・。
とはいえ、シナリオ・センターとしては50周年という区切りなので、いつもとはまた違ったものを考えたい思いがあるので、あれもこれもと想いばかりが膨らんでオロオロするばかりです。
でも、実際に会場を見てみると、楽しいパーティーの様子が目に浮かび、もはや妄想は果てしなく広がっていきます。
シナリオ・センターを選んでくださった受講生の皆様に、いつもお力添えをいただいている業界の皆様に、50年も続けてこれたという感謝の気持ちをお伝えしたいと思っています。
あれもこれもいろいろなことがありました。
つぶれそうになったり、創始者の新井が亡くなったり、プロだけではなく子供にもシナリオを教えたり、シナリオ発想で企業研修を始めたり・・・ああ、思い出せば・・・でも、ひたすら前へ前へ前進あるのみ。回想よりも、明日を未来を描きたい。
まだ日にちも決まっていませんが、少しずつ来年の50周年に向けて動き出した事務局です。

明日へ

昨日ちょっとだけさわりだけご紹介した「ヒットドラマはこうして作られる脚本家という仕事」(TOKYOUNEWSBOOKS刊)
5
人の脚本家のそれぞれの考え方来し方に触れることができるとても素敵な本でした。
作家としての心構えというのでしょうか、立ち位置というのでしょうか、共通しているものがあります。
それは、「自分の中に在るものと向き合う」ということがテーマ探しの原点だということです。
出身ライターの加藤正人さんは、基本の技術を身につけることは必要ですが、「学校では技術は教えるけれど、『何を書きたいか』『何を表現したいか』は本人の責任です。本人の中にあるものですから。」
大石静さんは「今の人たちは、情報の中で泳いでいるだけで物事を知った気になったり、考えた気になったりしていると感じます。そして己と語ることをしなくなりました。
作家にならんという人、表現者にならんという人が自分自身と語らずしてどうすると思う。
内に向かう力のない人は、表現者になれません。自分の中にある欲望や腹黒い部分に向き合うのはすごく苦しいし、つらい。
でも、一人で自分の内面をほじくっているうちに、何かを書きたくなる。書くべきものは自分を掘る作業から始まるのです。」

バカリズムさんは「見ている人に『台本がないんじゃないか』と思わせるのが理想の脚本」

これから脚本家を目指す方に、
シナリオ・センターの授業での岡田惠和さん「自分が書いたものに対しては、わっといわれて、人が書いたもののときに自分がぶつけるわけ。
面白かったし、うまく言っているかわからないけれど、とりあえず『書く』癖がついた。」
「『書き癖』は生きています。基本的にどんなスクールでもどうやったらおもしろいものが書けるかは教えられないじゃないですか。
教えてくれるのはスキルで、思っているものに近づけるためにはこういう表現方法がありますよ、ということ。その点は、ものすごくちゃんと教えてもらった。」
井上由美子さん「既存のいい映画の脚本を一から書き写すというのをやっていましたね。」
「やってみるとわかることがいろいろあった。たとえば、セリフって書きたいことがあるとつい10行くらい書いちゃうんだけれど、こういう場面で10行のセリフは息が続かないんだなって気づいたりする。
シーンの長さもこんなに長かったら飽きるな、多分これくらいがちょうど気持ちいいなあって分かったりした。
空気というかリズムはつかめた気がする。手書きで書くのは大変なんだけれど、勉強の一つとしてお勧めします。」
古沢良太さん「見たドラマとか、観た映画の構成表を作るっていう作業をよくやっていましたね。」
岡田惠和さん「だめでもいいから1回書いてみる。最後まで走ってみる。それで書いてみて、つまらないものでも書きあげるとそこからみえてくるものもある。
煮詰まる理由は、たいてい最初に書こうと思ってイメージしているものがあったのに、それじゃないものを求めたくなるからなんですよ。」

脚本家を志す人向けに書かれているので、すべてがうなずけることばかりですが、書き写すわけにもいきませんから()、あれもこれも知りたい方はぜひともお買い求めください。
最後に、プロデューサーの皆さんは、若い脚本家たちに会ってみたいと、出会いを切望しています。
コンクールからでも企画からでも、プロデューサーの方々と勝負しながら素敵な出会いを見つけましょう。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ