人を想う
シナリオ・センター代表の小林です。あれれ、もう3月も終わろうとしています。4月、5月は、日本としても新しい始まりでもあるので、ここのところひどく騒々しい感じがします。
毎日どこかで平成を振り返る番組をやっていますが、流行だったり、ものだったりと、ひどく浅い話ばかりです。
私は新しもの好きなので、新しい気分にすぐになってしまうタイプなのですが、「さあ、改元だ!」「さあ、オリンピックだ!」「さ、さ・・・新しい日々へ」といわれても、なんだか今の世の中の方向性をみると、いまいち乗れません。
新しいものを提示する時は、なぜか見せたくないこと、忘れてほしいこと、置き去りにしたいものを隠す傾向があるのです。
人間の本質なのかもしれませんが、世の中がそうなると「臭いものに蓋」となりますから、困ったものです。
私が今一番不思議に思うことは、東日本大震災の被災者の方々への援助の打ち切りです。
2019年3月までだからと決まりごとのようにお上はいいますが、100%復興されたのならいざしらず、何を根拠にこの時期に決めたのか、19年3月にどこまで復興していると考えたのか、現在打ち切れるまで復興していると思っているのか、知りたいです。
復興もままならないにもかかわらず、被災者の方々を放り投げるようなことは、人非人の仕業としか思えません。
人には心があります。もののように右から左へ上から下へと転がすことはできません。
そのことを十分考えられる、想像できる社会でありたい、人でありたいと願ってしまいます。
新たなことの始まりに潜むもの、隠されているものを見つめる目をなくさないように生きていきたいと思います。
自己実現
今日は、マイスター講座(講師養成)の方々と一緒に、「Sunday Karma Live」に行ってきます。
2月からシナリオ・センターの講師養成の研修が始まりましたが、その受講生の方々とご一緒に出かけてきます。
というのもこのコンサートは、日本フォルケホイスコーレ協会が主催で、コンサート前に「フォルケホイスコーレ」の教育についてのお話があるからです。
フォルケホイスコーレというのは、北欧発祥の独自の教育方法です。
試験なし、成績なし、民主主義の精神を育て、知の欲求を満たすことを目的としています。
ですので、教育は多岐にわたり、文学からアート、スポーツ、哲学などなどあらゆるジャンルの中で、自分が求めるものを好きに学べばいいという教育です。
しかも、北欧では全寮制で指導者も生徒もともに暮らしながら、指導者から学生は学ぶのですが、指導者もまた学生から学ぶという学内平等の姿勢をもって運営しています。
他人の評価は関係なく、本人が何を学び、何に活かせるかという自己実現の心を目指しています。詳しいことは私もよくわからないのですが、日本でもこういう教育が増え始めているそうです。
なんとなく、シナリオ・センターの教育と似ている気がして楽しみに伺うことにいたしました。
シナリオ・センターは、創作の上では誰もが常に対等という意味で、講師は受講生に技術面をお伝えはしますが、創作面では対等に学びあうことをモットーにしています。。
そして、自分が学びたいことを自分に活かせるように学んでいただけるようにカリキュラム、コースなどを作っています。
教育の本質とはどういうものか、常に考えていなければいけない問題だと思います。
ちなみにシナリオ・センターは、教えるという言葉があまり好きではなく、お伝えする。お渡しするという気持ちで授業を行っています。
さて、どんなお話をお伺いできるのか楽しみに行ってきます。