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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ドラマは面白い

科捜研の女コンプリートBOOK(ぴあMOOK刊)

こけし

シナリオ・センター代表の小林です。花冷えがきついこと。またダウンを着ている方が増えていました。
夜になると本当に寒い。私は超寒がりなので、桜になんか騙されないぞといまだに薄手にはしましたがダウンコートを着ています。
 
寒暖の差が激しいときは、風邪ひきさんになりやすいのでくれぐれも気をつけましょう。

 昨夜、石原理恵子さんの創作テレビドラマ大賞受賞作「週休4日でお願いします」の再放送を拝見しました。
一度拝見してはいたのですが、もう一度改めて拝見すると、1回目よりこけしの顔などを使って登場人物の気持ちを表していることに気がつき、さすがこけし愛の深い石原さん、小道具としてとてもうまく使われたなあと思いました。
 気の弱い主人公たちが「好きだ」という気持ちを「手を叩く」ことで表すというのも、秀逸な方法でした。
1回叩くから始まって、何回も叩き合うことで二人の気持ちが爽やかに伝わってきました。

石原さんのこけし愛がドラマとして多くの方々に伝わったのではないでしょうか。
何度見ても気持ちの良いドラマでした。

20年目の科捜研の女

「科捜研の女」がフルシーズン登場することになって、楽しみにされている方も多いかと思います。
その「科捜研の女」シリーズ20周年メモリアル企画「科捜研の女」コンプリートBOOK(ぴあMOOK刊)がでました。
表紙の沢口靖子さんの綺麗なこと。20年前と変わらないつややかな肌に涼しげな瞳が、印象的です。本当に化け物ではないかと思うほど(失礼!)ちっとも変わらない・・・20年といったら二昔ですよ。信じられない。うらやましい。
この本ではシリース全211話を網羅してあり、このドラマがなぜ魅力的なのかを紐解けます。
その中で「科捜研の脚本家の女本音トーク」コーナーがあり、出身ライター李正姫さん、真部千晶さんに、岩下悠子さん、松本美弥子こさんが作り手側(脚本家)の本音を語っていました。
面白かったのは、沢口さん演じるマリコのキャラクターについてです。
「科学以外のことにちょっと抜けているというか無関心な感じ」
「優秀だから本当に助かるんだけれど、問題も起こすし、ピントもズレているし、そういう人って本当に愛すべきキャラなんですよ」
「でも、女の集団の中では絶対に浮く存在」
「一生懸命なんだけれども、その一生懸命さが女の集団から見るとめんどくさいし、ちょっと異質」
「浮いていたとしても、多分そのことにきづかない。そんな生き方って、ちょっと素敵」
2面性がよく出ていますよね。キャラクターが生きているからこそ20年も続けることができるのです。
これがストーリーだけだったら、シリーズになっていません。
シリーズ化されるのは、登場人物の魅力あるキャラクターがあればこそなんですね。

脚本家のみなさんは、この長いシリーズをこんな風に取り組んでいらっしゃいます。
「ニュースなどで○○県警がこういう捜査したら、こんな結果がでた、みたいな報道があるとその場で全部メモしておいて、わからない言葉が出てきたらあとで、調べて・・・みたいなことやっています。あとは科学雑誌を読んだり。」と李さん。
「この凶器で殺したらさすがにマリコたちもわかんないだろうというものを、日々探し回っています。合羽橋を巡って、この道具なら・・・とか」真部さん。
「脚本を書く上では、自分が面白いと思うことと現代性を意識するのが一番重要かなと思っていて、長く続いているシリーズだからこそ、古く感じさせないために、今の話をどんどん増やしていくことを意識しているつもりです」李さん。
「自分が面白がれるものを入れる傾向はありますね。テレビやネットで見てなんとなく関心があるんだけれど、よく知らないことを取り上げて、視聴者と一緒に楽しめればいいのかなと」松本さん。
「特に11年以降の日本人は、自分たちがいかに権力の大きな嘘にさらされているのかを意識的・無意識的にすごく感じていると思っていて。
そんな世の中で科学は嘘をつかないという物語のベース・テーマはとても気持ちがいい。今の時代だからこそこの作品は求められているのではないかなと思います」岩下さん
この本の中には、シリーズとして20年続いた秘密が語られています。
ドラマ作りに欠かせないものは何か、楽しみながら研究できる本です。

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