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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人から

テレビドラマの巨人たち

余人代え難し

シナリオ・センター代表の小林です。寒の戻りというのでしょうか。冷たい雨です。葉桜になりかかった桜も、「おっとぉ、まだ散れないか!」って、寒さに耐えているみたいでけなげです。
桜色の月刊シナリオ教室を読んでいたら、山本むつみさんと坂口理子さんのインタビューが掲載されていました。お読みいただいたでしょうか。
掲載シナリオも勉強になりますが、私がいつも感じるのは、作家の佇まいです。
佇まいって言葉が好きです。人の生き方というか暮らし方っていうと平面なってしまいますが、立ち方という意味もあるだけに、「佇まい」という言葉を使うと立体的になる感じがしませんか?
おふたりの作家としての佇まいがみごとです。
山本むつみさんは朝ドラから大河、ラジオドラマもお芝居も映画も現代劇から時代劇まで幅広く書かれていらっしゃいます。
「(ホンづくりで一番重要なのは)どういうドラマを作るのか、目指すドラマを共有することです。ホン打ちは、脚本の直しをするためにあると思っている方がいますが、それだけではありません。
プロデューサーや監督と意見を交換しながら、ドラマのイメージを明確にしていって、それをみんなで共有するために、ホン打ちと直しを重ねるんだと思います」
「自分とまったく同じ価値観の人はいないのですから、否定されることは当たり前なのではありませんか?
脚本家は悩むのが商売です。何が面白いのかわからなくなったら、時代を超えて名作と言われ続けるシナリオを読むといいと思いますよ。」
「自分の得意なことを、脚本家としての武器にするといいですよ。苦手を克服しようと頑張るより、長所を伸ばす努力をする方がずっと得策です。
すべての平均点が取れなくても、何かの分野で“余人をもって代えがたい”と思われた方が仕事になるわけですから。」
坂口理子さんは、高畑勲監督、山田洋次監督とか大物の方とご一緒にやることが多いのですが、インタビューを読んでなるほどと思いました。
「なんだかおもしろそうだ、楽しそうだという感覚から始まったお付き合いがいつかどこかで実を結んだりする。そんなご縁が大切なのかな、と思います」
「自分がすべて正しいとは思わないようにしよう、と。これは常に自分でも心がけるようにしているのですが、いつも考え方を柔軟にしておく。するとシナリオで悩んだ時も、こっちじゃなく、あっちが正しいかもしれないと試してみることができます。
“直せる”って実はすごい貴重なことだと思うんです。
ダメ出しが出たら直せばいい。また書けばいいんです。
そういう柔軟性があれば、行き詰った時にもあまり煮詰まらずに道が見いだせるんじゃないかと。(笑)
前向きにひたむきに,ヘコまず腐らず、書き続けていくことが、地味ですが(笑)、実は一番すごいことなんじゃないかと思います。」

このおふたりこそ、まさに「余人、代え難し。」

テレビドラマの巨人たち

山本むつみさんもおっしゃっていました。「時代を超えて名作と言われるシナリオを読むといい」と。
市川森一、向田邦子に続いて、第3回「早坂暁~人、その存在や いかに~」と題して、作品上映とシンポジウムがあります。
作品の魅力を時代背景とともに読み解きます。
これからプロになろうとする方々には、是非とも参加して欲しいシンポジウムです。
420日(土) 千代田放送会館2F 無料
第1部
1000~ ドラマ人間模様「冬の桃」第1回(NHK 1977
10
55~ 今夜もテレビで眠れない「猫坂の上の幽霊たち」(TBS 1995
11
30~「天下御免」第1回(NHK 1971
2
13
20~ ドラマ人間模様「続 夢千代日記」第2回(NHK 1982
1415~ ドラマ人間模様「花へんろ~風の昭和日記 第3章」第1回(NHK 1988
3部 
152030 財団理事長遠藤利男あいさつ
1530~「出演者・製作者が読み解く早坂暁脚本作品の魅力」
山口崇(天下御免出演)秋吉久美子(夢千代日記出演)岡崎栄(天下御免
演出)平山武之(花へんろ演出)司会鈴木嘉一(放送評論家)
1800~市川森一脚本賞授賞式
今年は、「逃げ恥」「アンナチュラル」などの脚本家野木亜希子さん。向田邦子賞とW受賞です。
皆さん、ご参加ください。

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