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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

キャラクター

添えもの映画百花繚乱チラシ

キャラクターづくり

シナリオ・センター代表の小林です。与那国では大変な大雨だったようですが大丈夫でしょうか。沖縄・奄美諸島は梅雨入りだそうです。今日は東日本が怪しい天気とのことで、日本中、気候も世情も不安定この上なし、困ったものです。
それにしても、世の中の閉塞感というか、「物言えば唇寒し・・・」のような状況はいかなるものでしょうか。
映画「空母いぶき」で総理大臣役の佐藤浩市さんが「ストレスに弱くすぐお腹を下してしまう設定にしてもらった」とのインタビューでのお答えに、「総理を揶揄している」とかでバッシングがすごかったそうです。
なにを考えてバッシングをしているのか全く理解の範疇を超えます。
ドラマの登場人物のキャラクターづくりが気に入らないといいだしたら、ドラマ自体成立しません。
キャラクターが一番大事ですからね。
ドラマは葛藤・相克・対立から成り立っています。
 登場人物すべてが誰もに気に入られるいい人ばかりで、よかった、よかったとなんの波乱万丈なことも起きずにハッピーエンドで終わったら・・・「はあ~」ですよね。
葛藤も対立もなかったら、ドラマになんてならないではないですか。 

何にも深く考えずに、その場だけをみて安直にものを考えて騒ぎ立てる風潮にどうしたら歯止めがかけられるのでしょうか。
「どうしようもないよね」と切り捨てることは簡単ですが、「人はみんな違ってみんないい」ということを、どうかわかっていただきたいと切に思います。。
色々な考え方も想いがあり、他人に対して想像力を巡らすことがどんなに大事なことなのか、それをわかっていただくには、それぞれの想いや意見を怖がらずに発信していくしかないのかとも思います。
創作者である限り、いや人間である限り、自由に表現できること。様々な意見に対して寛容であること。そうでないと、社会は成熟していきません。

 

添えもの映画って?

戦前になりつつあるのではと危惧されている昨今ですが、戦後74年目です。
敗戦国日本は、焦土化した日本と飢えと貧困にあえぐ日本国民が溢れていました。
ですが、戦後の復興は目を見張るものがあります。 特に、娯楽に飢えていた国民は、映画に飛びつきます。映画は一大エンタテイメントの世界、娯楽の殿堂として大いに盛り上がりました。
若い方はご存じないかと思いますが、映画全盛の昭和30・40年代は、2本立てで興行されていました。
メイン映画1本と添え物ものというか60分前後の映画1本というのが多かったのです。
阿佐ヶ谷ラピュタさんのこの夏の企画はこの添えものといわれる中編映画の特集です。
「添えもの映画百花繚乱SPパラダイス!!」と銘打って5月26日から7月27日まで上映されます。

創立者の新井一の作品が、喜劇ばかりですが上映されますので、昭和のエンタテイメントをぜひともご堪能ください。
その昔、兄が子供の頃、友達に「君のお父さんはどんな映画をかいているの?」と訊かれて、恥ずかしくてタイトルを言えなかったというタイトルもお楽しみください。兄の気持ちわかります。(笑)
6/2~8 「強情親爺とドレミハ娘」(1957年/白黒/55分) 昔気質の寿司職人柳家金語楼とジャズ歌手志望の元気娘ペギー葉山のやりとりを中心に下町人情を描いた庶民喜劇。人気ラジオドラマ「金語楼の強情親爺」の映画化。
7/7~13「デン助のワンタン親父とシューマイ娘」(1959年/白黒/56分)戦後浅草喜劇で一世を風靡したキャラクター「デン助」禿げ頭のギョロ目、半そでシャツにズボンのサンダル姿がトレードマーク。場末の中華そばの親父が孤児を育てる泣き笑いの人情喜劇。
7/7~13「デン助のやりくり親父」(1959年/白黒/64分) ブリキ屋デン助一家の隣に呑み屋の女将と大学生の母子が引っ越してきて起こすひと騒動。「デン助のワンタン親父とシューマイ娘」の姉妹編。
また、今は亡き名監督名脚本家もたくさん手掛けています。今村昌平監督・脚本「西銀座駅前」、鈴木清順監督「らぶれたあ」、小林正樹監督デビュー作「息子の青春」、菊島隆三脚本「鬼火」、野村芳太郎監督デビュー「鳩」、堀川弘通監督・菊島隆三脚本「琴の爪」、井出俊郎脚本「生きている小平次」、市川崑監督「東北の神武たち」、山田太一脚本「背くらべ」、山田洋次監督デビュー作「二階の他人」、大島渚監督デビュー・脚本「愛と希望の街」などなど目白押し。
昔の映画を観るとつくづく思うのは、登場人物のキャラクターがすごく濃いこと。
ストーリーではなく、キャラクターがドラマを引っ張っています。
初夏の一日、添えもの映画を楽しんでください。映画の薫風を感じます。(事務局にパンフレットあります)

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