ベント、食べたい。
シナリオ・センター代表の小林です。今週末は大阪の開講で金曜日からでかけます。
自宅から新幹線に乗る場合は東京駅が一番近いのですが、半年ばかり浜松町の近くに仮住まいしていたので、品川から2回ほど乗りました。
その時に食べた品川弁当がなぜか忘れられません。名前でもわかるように当然品川駅でしか売っていないお弁当です。
東京駅乗車では買えません。 買えないと思うと無性に買いたい、食べたい!!
友人に話したら「弁当でしょ。そんなに美味しくないでしょ。思い込みだよ」とすげない。
言われてみると、どんな弁当だったかはまったく覚えていないのです。
ただ、品川でしか売っていない、それだけに、もう買えない、食べられないかもしれない、そこだけにこだわっている。
これってよく誰にでもある、あるあるですよね。
手に入らないと思うと無性にほしくなるものです。 そんな人間の欲望は、ひどく人間的でドラマ的だと思うのですが・・・。
品川経由で大阪へ行こうかぁ~悩むぅ~。大阪ついたら、今井のけつねうどん食べよぉっと。アホや。(笑)
女性脚本家
昨日は、阿佐ヶ谷ラピュタ上映の添えもの映画のお話を書きました。
新井講師から、これまた耳より情報です。
神保町シアターで、東京映画製作・新井一企画、水木洋子シナリオの映画「甘い汗」を上映しているということで観に行かれたそうです。
「内容的には、年増の女給(京マチ子)が荒んだ生活を送りながら、娘を育て、やがて娘からも見捨てられていくという、かなり救いのない筋立てですが、水木さんのオリジナルで、この時代は、こういう内容の映画も制作されてきたんだなあ、という感慨しきりでした。京マチ子の役者魂に溢れた作品でもありました。」と。
折しもその日、「甘い汗」の主演だった京マチ子さんの訃報が報道され、偶然にびっくりされたそうです。
講師は、みんな色々と映画、芝居などこまめに観に行っています。映画とか芝居とかは、嬉しいことに楽しみながら勉強になります。
神保町シアターで5月11日から6月7日の27日間「水木洋子と女性脚本家の世界」を特集しています。
水木洋子さんは、映像作家を目指す方ならどなたでもご存じの名脚本家です。
1950年上映の戦争の悲惨さを描いた「また逢う日まで」(今井正監督)のガラス越しのキスシーンは、名シーンとしていまだに語り継がれています。
水木さんは、創設者の新井とも懇意で、三月会という勉強会を開いていたお仲間でもあります。
今でもさほど変わっているとも思えませんが、その頃の女性は家を守るものという概念が強く今よりももっと男社会丸出しの時代、そこで頑張って脚本家として名を成す、どれだけ素晴らしい脚本をお書きになられたかわかりますね。
同じように戦っていらっしゃった、今も戦っている女性脚本家の作品が特集されています。
ある意味女性脚本家の特集として取り上げるということ自体まだまだ男社会は変わらないのですね。
シナリオ・センター出身の那須真知子さんの作品も上映されます。
水木洋子「甘い汗」「驟雨」「もず」「あらくれ」「山の音」「にっぽんのお婆ちゃん」
田中澄江「旅路」「乳房よ永遠なれ」
和田夏十「ビルマの竪琴」「プーサン」
櫛田芳子「故郷は緑なりき」
大野靖子「居酒屋兆治」
平岩弓枝「惜春」
宮内婦貴子「野菊の墓」
那須真知子「わが心の銀河鉄道 宮沢賢治物語」
奥寺佐渡子「お引越し」お調べください。
描くだけでなく、多くの名作に触れることは、映像表現を学ぶだけでなく、その時代の人々の生き方、考え方を知ることは、脚本家としてのものの見方の幅が広がります。
女性の描いた名作の数々をご堪能ください。