紫陽花のように
シナリオ・センター代表の小林です。今日の東京は梅雨空のようですが、梅雨はまだ先のようでちょっとホッとしています。
雨は嫌いではないのですが、ハルの散歩ができなくなるのが可哀そうで、1日雨だとレンコートを着せて出かけるしかないのですが、洋犬と違って和犬・柴犬は、まったく洋服が似合わないんです。(笑)残念!
紫陽花の季節でもあります。
母が紫陽花を好きだったせいか、私も紫陽花が大好きで、色が変化していく姿を眺めていると心が落ち着きます。ドラマと同じで変化が好きなのかも。(笑)
紫陽花は、色変わりするので、花言葉は浮気とか移り気とか無常ですけれど、変化していくから面白いので、悪い変化はまずいですけれど、人間だってずーっと同じところに留まっていたら碌なことになりません。進歩するからいいのです。
そういえば、この2,3日の海外報道では、安倍さんは手厳しいことばかり言われていますが、新天皇・皇后おふたりとも通訳はいらないほど英語に堪能でいらっしゃって、トランプ大統領夫妻とも英語で気軽に話されていたことや、雅子様の気配り、エレガントな立ち振る舞いに称賛の言葉が。
昨今の日本は、海外では貶められる報道が多い中、とても嬉しいニュースでした。
平成から令和へ、新たな時代の変化は、紫陽花のように美しく変化してもらいたいと思います。
ブルーアウト
出身ライターの鈴木光司さんの小説「ブルーアウト」(小学館文庫刊)がついに文庫化になりました。
1890年のエルトゥールル号遭難事故をもとに書き下ろした海洋長編小説です。
エルトゥールル号遭難事故とは、1890年9月にオスマン帝国の親善訪日使節団をのせた軍艦エルトゥールル号が、帰国の途中和歌山串本沖で台風の遭遇し、500名を超える犠牲者を出した事故です。 その時、この未曽有の大惨事の中、地元住民たちの献身的な救助活動により69名の乗務員が奇跡的に助かり、母国トルコへ帰ることができたのです。
実は、今でもトルコと日本が友好的なのはこうした130年近く前の事件が発端なのです。
鈴木さんの「ブルーアウト」は、その史実を元に、和歌山県串本のダイビングショップでガイドをしている高畑水輝と、偶然訪れたトルコの青年ギュスカンとの出会いから始まります。
トルコの青年ギュスカンは、祖先ムスタファを乗せたエルトゥールル号の遭難現場に潜り、あるものを探そうとしていました。そのあるものとは、そこに何が隠されているのか、現在と過去を行き来しながらスリリングに息もつかせぬ展開で進んでいきます。まさに鈴木光司ワールド全開の小説です。
今月は鈴木光司月間です。
今週から上映になりました。
鈴木光司さんを小説家としてその名を知らしめたあの「リング」の貞子が帰ってきました。
「リング」からハリウッド版「リング2」を経て、あの長い髪と白い服の貞子が再び。
見ると1週間以内に呪い殺されるという呪いのビデオの恐怖を描いた小説「リング」は、ベストセラーをきっかけに、映画、テレビ、ラジオドラマと日本中を恐怖の世界へと引きずりこみ、長い髪と白いワンピースの貞子は「日本でもっとも有名な怨霊」となりました。
実は、小説「リング」は、鈴木光司さんがシナリオ・センター作家集団の時にゼミナールで発表してきたもので、毎週ゼミの仲間を震え上がらせ、その仲間の反応を見てさらに怖さをアップさせ、毎週仲間たちが震えながら楽しみに待っていたという伝説として残っています。これは本当にあったお話です。(笑)
今回、「貞子」は投稿動画から始まります。時代の変遷を感じますね。
この脚本は、映画「ニセコイ」「望郷」、テレビドラマ「ママゴト」などの話題の脚本を描かれているセンター出身の杉原憲明さん。
原作鈴木光司・脚本杉原憲明のセンターの先輩・後輩のコンビが、日本中にいや世界中に容赦ない恐怖の世界へと引きずり込みます。
「ブルーアウト」で歴史の為す重さを知り、「貞子」で暑さを吹き飛ばしていください。