キワニスクラブ
シナリオ・センター代表の小林です。キワニスクラブさんにお招きいただいて、子供シナリオについて講演させていただきました。
キワニスクラブは、アメリカで創立された民間奉仕団体で「ロータリークラブ」「ライオンズクラブ」と並ぶ世界三大奉仕団体の一つです。85ヵ国20万人の会員が奉仕活動をされているそうです。
日本では、病気の子供に贈るキワニスドール作り、子ども食堂、寺子屋、奨学金(児童養護施設卒園進学者支援制度)など、子どもたちの支援を主に行っています。
前に潜水艦に乗せていただいたのも、このクラブのイベントの一つで、そこからご縁をいただいて、お話させていただく機会を得ました。
内容は「子供シナリオ」。
シナリオ・センターが「一億人のシナリオ。」プロジェクトの一環として行っている小学生にシナリオを描いてもらう授業のお話です。
子どもたちに、考える力、想いを伝える力を持ってほしい。そのための手立てとしてシナリオを使ってもらっているということをお話しました。
シナリオのアクション・リアクションを描くことで、みんな違うキャラクターだということ、相手の気持ちを想像することができるようになります。
「思いやりのある子」というお題目だけではなく、思いやりのあるということはどういうことかが、シナリオを描くことで具体的に考えることができるのです。
碌でもない大人ばかりが、自分の利権だけで世の中を牛耳っている昨今の社会ですが、だからこそ、未来を担う子供たちにきちんと考えられる力を持ち、想いを伝えられる力をつけてもらいたいと願っています。
宮武外骨
昨日「「人は見た目が9割」などのベストセラー作家であり戯曲作家・演出家の竹内一郎さんのお芝居「宮武外骨伝」を観に行ってきました。
座・高円寺で6月9日まで上演しています。
明治時代と現在をリンクさせた面白いお芝居でした。
竹内さんは、演劇集団ワンダーランドという劇団をお持ちで、出身ライターの中島直俊さんも脚本を担当されています。
宮武外骨という名前をご存じでしょうか。1967年生まれ、ジャーナリストの始まりの方と言えましょうか。
この年は、正岡子規、尾崎紅葉、夏目漱石、南方熊楠などたくさんの傑物が生まれた年だそうで、その傑物のひとりが宮武外骨です。
外骨は、「迫害こそ勝利」と、権力に矛先を向け、明治時代・時の政府薩長藩閥政治を批判していきました。また、官と癒着しての大企業の不正の数々を告発しまくり、入獄5回、罰金刑15回という「筆禍」を受けてきた男です。
名前の通り、人を小ばかにしたところがある外骨ですが、「過激にして愛嬌あり」と言われる由縁でもあります。
その報道姿勢は、摘発、告訴、裁判、営業妨害、嫌がらせなどを受けながら、「頓智新聞」や「滑稽新聞」と銘打ちながら、熾烈でありながら洒脱にユーモアを交えていました。
竹内さんは、そんな外骨を描くことで、今のマスコミ、ジャーナリストの弱腰に、また、なにもないように生きている国民に、警鐘を鳴らしたかったのだと思います。
「実は当たり前のことを言うことがはばかられる社会を、今現在、私たちは生きている。根本的に間違ってはいないか。
私は戯曲を執筆している間、『世直し』という言葉が何度も胸にこだました。」とおっしゃっています。
今より権力行使、暴力行為の強かった明治時代でも宮武外骨はジャーナリストとして気骨を貫いたのです。見習いたいものです。
今、外骨的なのは、東京新聞の望月記者くらいでしょうか。