“平成最後の月9”として、放送前から注目されていた2019年4月期放送のドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』。脚色を手掛けたのは、出身ライターの大北はるかさん。
大北さんは2014年『第4回TBS連ドラ・シナリオ大賞』に入選。その後、ドラマ『テディ・ゴー!』(2015)、『好きな人がいること』(2016)、『刑事ゆがみ』(2017)、『グッド・ドクター』(2018)、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』『ラジエーションハウス特別編~旅立ち~』(2019)の脚本や脚色を担当されています。
先日、『月刊シナリオ教室 2019年9月号』(8/28発行予定)の取材でお越しいただきました。こちらのブログ用にもコメントをいただきましたのでご紹介いたします。
シナリオ・センターにいらした頃、ライターズバンク(※)を通していろいろなジャンルの“書く仕事”に参加され、その経験がいま役立っていると大北さんは仰います。脚本家になりたい皆さん、“先輩”のコメントを是非参考にしてみてください。
「いろんな仕事にチャレンジしておいて良かったと、今思っています」
――「脚本家になろう!」と思ったキッカケはどんなことでしたか?
〇大北さん:中学生の頃、森下佳子さん脚本の『世界の中心で、愛をさけぶ』を拝見したことで、ドラマ業界を志すようになりました。シナリオに関しては、大学で書き方を学べる授業があったので、それを受講したことで興味を抱くようになりました。
――脚本家として活動されている今、作品のジャンルに関わらず共通して心掛けていることはありますか?
〇大北さん:自分が書きたいものを書くというよりは、自分が見たいものを書くようにしています。そのために、いち視聴者としての感覚は常に忘れないように心掛けています。
――ドラマ『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』で、「今回勉強になった!」ということを教えてください。
〇大北さん:“チームもの”を描く楽しさを知ることができました。今まで主人公やヒロイン目線で物語を書くことが多かったのですが、今回チームのメンバーそれぞれにスポットを当てて描いていくことで、新たな発見や面白い化学反応が生まれることがわかり、こういった作品をまたどこかで書いてみたいと思います。
――シナリオ・センターで学んだことで、いま役立っていることはありますか?
〇大北さん:クラスで自分の書いた作品を発表する際、いろいろな方の意見を聞く機会があると思いますが、それを参考にし、書き直すという訓練がとても役に立っています。
どうしても自分の書いたものに固執しがちになってしまうと思いますが、製作費の問題やスケジュールやスポンサーの問題など、大人の事情で急な書き直しを要求される場面が多くあります。そうした時に臨機応変に対応できる力が、仕事となると必要になってくると思います。
――シナリオ・センターの“後輩”に向けて一言メッセージをお願いいたします。
〇大北さん:私もまだ経験が浅い中恐縮ですが、私の場合は、いろんな仕事にチャレンジしておいて良かったと、今思っています。シナリオ・センターさん経由で、ゲームシナリオライターの仕事や映像分析の仕事など、たくさんのお仕事を御紹介していただき、それぞれの仕事を通じて多くの学びがありました。映像分析の仕事はデビューした今でも続けています。
いつ食べていけなくなるかもしれない不安に怯えているよりも、“書くこと”を通じて多方面で稼げるスキルを身に着けておいた方が、デビュー後も心に余裕が持てるのでは?と思います。
脚本家の友達が少ないので、デビューされた暁には是非飲みに行きましょう!
・シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメントを掲載『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』はこちらからご覧ください。