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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

小説と脚本

引っ越し大名!(ジェイムービーマガジンより)

気候不順

シナリオ・センター代表の小林です。あちらこちらに甚大な被害を及ぼした大雨がやっと収まったかと思うと、梅雨明け宣言と同時に猛暑、もうどうなっているのでしょうか。
明日、明後日は鎌倉でこどもシナリオ・映画教室。天気予報を見たら、明日執筆日は32度、明後日撮影日は35度だって・・・いやあ、みんなぶっ倒れなければいいが・・・ちょっと前まで涼しかったので急な暑さに体調管理が難しい、熱中症にかかりませんように。
雨ばかりでも、晴ればかりでも、寒いだけでも暑いだけでも困るわけで、すべてはほどほどがいいのかも。
農作物は雨に生気をもらい、太陽に活気をもらって初めて美味しくなるのだと思うし、どちらも必要不可欠。
そういえば、「温暖化はロシアには喜ばしいことなのだ」という話を聞いて、色々あるもんだと思いました。シベリアのような凍てつく土地が肥沃な大地になるかもしれない、そこまでいかなくても今まで使えなかった場所が使えるようになって国土の有効面積が増えるとか。
私には本当かどうかはわかりませんが、温暖化は地球全体の問題だと思っていましたが、そういう考え方、見方もあるのかと、ひとつの見方に固執してはいけないと思いました。

引っ越し大名!

先日「時代劇でござる」(柏田道夫著)をご紹介し、抑えるところを抑えていることが大切というお話をしましたが、史実を踏まえながら、時代劇がこれほどエンタテイメントだと実感させてくれるのは出身ライター土橋章宏さんの小説&映画。
土橋さんといえば、「超高速!参勤交代」が大評判を呼び、「超高速!参勤交代リターンズ」「マラソン侍」と、原作者として、脚本家として時代劇との面白さを超えたエンタテイメントを送り出していらっしゃいます。
そして、8月30日公開の「引っ越し大名!」も「!」が付くほど面白い。 主演の星野源さんも高橋一生さんも高畑充希さんも乗りに乗って演じられたそうで、夏休み必見の映画です。
この映画は、土橋章宏さん原作「引っ越し大名三千里」を土橋さんご自身が脚本家として映像化を手掛けました。
まさに、小説家と脚本家の二足の草鞋、皆さんが目指していらっしゃるものを、さらっとやり遂げられているわけです。
どうやったらできるのでしょう?そこのところ知りたいですよね。
ジェイムービーマガジンの取材でこう応えていらっしゃいます。
時代劇を描かれるときどんなことを大事にされているかというと「時代が変わっても、人間の根本的なところは変わらないと思っています。
現代と同じように人間はセコいし、優しいし、愛らしい。その中で普遍的なほのかな人間の良さを描くのが好きですね。」
小説と脚本を描くときのスタンスは「小説は想像で楽しむもの、脚本は目で楽しむものと考えています。
こうした楽しみ方の違いを念頭において、書き分けていますね。
それから、小説は休みながら読めますが、脚本から生まれる映像は連続的に観るものなので、飽きないように工夫する必要があります。
また、作り手側から見ると小説はほぼ“個人プレイ”、脚本は“チームプレイ”なので、それぞれの楽しみ方を感じながら作業している感じです」
なるほど、小説と映像の違いをきっちりと踏まえているからこそ、どちらも面白いものが作れる・・・。
そうそう9月には土橋章宏さんをお迎えして、小説と脚本をどちらも鵜甘く勝つ方法をご伝授していただければと思っています。
まず、映画「引っ越し大名!」を見てくださいね。

私は小説「引っ越し大名三千里」はだいぶ前に読ませていただいて、主人公のキャラクターの特異さもさることながら、まあよく、時代小説なのにここまで楽しく崩せるものだと感心させられましたので、映画も楽しみで仕方がありません。
押さえるところは押させてハッチャケる・・・この神業は「型を知って型を壊せば型破り、型を知らずして型を壊せば型くずれ」というように、しっかりと型(技術)を知っている、持っているからこそできることなのです。
土橋さんは、プロとしてお忙しくなっても「在籍ライター」と呼ばれながら作家集団で学ばれていました。
技術を習得するということはこういうことです。見習いものです。

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