menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

子どもに負けない大人になりたい

子どもシナリオ・映画教室映画撮影風景

暑さの中の8週間講座

シナリオ・センター代表の小林です。なんという暑さでしょう。サウナ状態の蒸し暑さに頭がボーッと、そして昨日の炎天下での疲れがズシーンときて、頭はまったく空回りばかり。
この暑さの中、8月シナリオ8週間講座を開講しました。もう、本日受講してくださった皆さんは、エライ!よく来てくださった。
それこそ、本当に創作したい方々がお集まりくださったにちがいありません。こちらも頑張らなくては。
小学6年生のお嬢さんもお母様とご一緒に受講されています。嬉しいですね。
昨日まで、小学4・5・6年生の子供たち24人とシナリオ・映画教室をやってきたせいか、ちっとも違和感を感じられなくて。(笑)

この暑さでは頭も働かないのですが、先日、そろそろ棺桶に片足を突っ込んでいる私としては「善く死ぬための善い生き方」の講演をお聴きしてきました。
そのときに、「常に今を生きる」言い換えると「死は今」というお話をされました。
明日はなく、10年後もなく、常に今しかないのだと、「一寸先は闇」ですから、確かに明日の約束が守られるとは限らない、常に今を大事に生きること、その積み重ねなのだということをお聞きして、当たり前のことだけれど、改めてやりたいことはやらねば、先延ばしにしてはいけないのだと思いました。
きっと、暑さももろともせずに8週間講座においでくださった皆さんは、ご自分の生き方を大事されている方々なのでしょう。
やりたいことをやる。シナリオにどっぷりつかって、楽しく書いてくださいね。

 

子どもシナリオ・映画教室

7月の終わり7/30・31は、鎌倉の子供たちと過ごしました。
「鎌倉・川喜多子どもシナリオ映画教室」です。
1日目は、鎌倉商工会議所の会議室で、シナリオ作成です。
午前中は、登場人物のキャラクターを考えて、そのアクションリアクションを考えてもらいます。
真面目過ぎる性格だったら、得意なこと、苦手なこと、服装、口癖、名前・・・は?
ハイ!ハイ!と元気な声があがります。
エアキャッチボールでは、優しく投げた時、強く投げた時のリアクションを体感します。
大はしゃぎしながら、投げ合う子どもたち。
次は、グループワークで、山派(源氏山)と海派(由比ガ浜)に分かれて、どっちに行こうかなと、迷っている一人を説得することにします。
どこがいいか悪いか、アイデアを出し合います。
アイデアをセリフにするために、それぞれのキャラクターを決めて、その役になりきって説得してもらいます。
すっかりその気になって、それぞれが頑張って説得します。
今回の子供たちは、積極的に役になりきって、恥ずかしがらずにどんどん演じてくれるので、とてもいい感じです。
最後に、ドラマを面白くするには、ストーリーではなく、1にキャラクター、2にどれだけ困らせるかだという例を出して、お昼休憩。
お昼を食べて、いよいよシナリオ作り。シナリオの書き方(柱とト書とセリフ)を教えるだけで早い早い、どんどん描きます。
あまりに周りの子どもたちがすごい勢いで描くので圧倒されて、書いている時間中泣いていてかけない子も出ましたが、ところがです。それぞれの発表が始まると、やにわに書き出し、最後の発表に間に合うという芸当を見せてくれました。
しかもその後の役割決めには、笑顔で積極的に参加、カメラ(撮影)を担当に。
「今泣いたカラスがもう笑った」って感じで、心配しながら見守っていた大人たちは、その変わり身の速さに、あっけにとられましたが。(笑)

次の日は、みんなから選ばれたシナリオを元に、他の子どもたちのシナリオも取り込んだ改訂版で2チームに分れ、撮影をします。
俳優・監督・カメラ・助監督・撮影・音響・照明とそれぞれの役割をこなしながら、炎天下にも負けず、頑張りました。
監督の指示だけでなく、それぞれがアイデアを出したり、こだわりをしっかり持ちだしたりと喧々諤々やりあいながら、大人顔負けの粘り強い撮影姿勢に、この子どもたちに任せたら未来は安心かななどと思ったりして・・・。
このシナリオを描くということと撮影をするということを通して、子どもたち自身の力、それは想像力であったり、協調力であったり、創作力であったり、行動力であったり、驚くほどの力を持っていることに、私たち大人が気がつかされます。
本人たちも自分がこんなにできるということに初めて気づいて、自信をもったのではないかと思います。

子どもを枠にはめずに、自分の力を発揮できるこういう場所をどんどん提供していけたら、子どもたちは、どんなに成長するだろうかと思います。
いくつかの小学校ではやらせていただいていますが、学校の授業の中でも、たまには枠を外れて、もっと想像力を広げられるこういう授業を取り入れていただいたら、きっと私たち大人の未来も安泰、明るくなることでしょう。大人の為ではありませんが。(笑)
子どもに必要なのは、よい環境も必要ですが、箱ものではなく、その中で未来を輝かせることができる何かを学べることだと思います。
お仕着せの勝手な大人の道徳観を押しつけるのではなく、子どもたちが自分で考えられるようにすることがもっとも大事なことではないでしょうか。
「鎌倉・川喜多子どもシナリオ・映画教室」も9年目。
来年10年目の節目を迎えるにあたって、もっと発信すべきことがあるのではないか、もっとできることがあるのではないか、私たちも真剣に取り組んでいきます。

8月31日、川喜多映画記念館で、子どもたちの上映会が行われます。
子どもたちの可能性をひしひしと感じられるすてきな時間です。

 

 

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ