なんかモヤモヤ
シナリオ・センター代表の小林です。日本テレビの24時間テレビをなにげなくずーっと見ていました。
たくさんの障害者(私の大嫌いな言葉ですが)の方々が、色々なパフォーマンスをなさっている姿に感動したり、驚いたりしながら拝見していたのですが、ふっとなんだかわからないモヤモヤが出てきました。
皆さんが頑張っていらっしゃる姿は、楽しそうだし、本当に素敵なのですが、なんとなく可哀そうな障害者だから有名なタレンさんなどが励ましてあげるみたいに感じてしまうのは私だけでしょうか。
とはいえ、自分が好きなタレントやアスリートに励まされたら、とっても嬉しいし、頑張る気持ちにつながります。
シナリオ・センターの生徒さんだって、大好きな出身ライターのお話を聞かれるとめちゃくちゃ励まされますもの。
そういうものだと思います。それは大事なことだと思います。
ただ、難しいなと思うのは、作り手(仕込み手)側が、誰もが同じフィールドにいるという意識をきちんと持っているかということです。
ほのみえる「してあげる感」ではなく、ともに楽しい番組作り、ともに番組から誰もが可能性、力を秘めているんだということを発信できればと思うのです。
誰もが自分を愛して、だからこそ他人を愛せ、認めることができる。
そんな人々が生きられる社会でありたいと思います。
絆のペダル
24時間テレビスペシャルドラマ「絆のペダル」は、出身ライターの松田裕子さんが、実際にロードレースのプロ選手として活躍されていた宮澤崇史さんの実話をドラマ化されました。
自分に尽くしてくれた母親のために肝臓移植をされて、プロ生命を絶たれるほどの身体になりながら、過酷なリハビリ、トレーニングを重ねることで選手生活に戻り、再び活躍されるお話です。
自転車競技に興味を持った子供に、母親が無理だといわずに、なけなしのお金をはたいて留学させたり応援し続けてくれるのですが、こういう母親は珍しいです。
なんというのか、特殊な(?)ことをやろうとすると、まず「あなたには無理、できない」「ちゃんとした仕事に就きなさい」「才能なんてないのだから」と言われます。
これって不思議だと思うのです。ちゃんとした仕事ってなんなのでしょう。毎日お勤めしている方は、才能がいらないのですか。そういうことではないと思うのです。
シナリオ・センターにいらしている受講生の多くの方も、同じような経験をされていたり、誰にもナイショで通っていたりされてはいませんか。
スポーツとか創作とかは才能の有無といわれますが、本当にそれだけでしょうか。
私は、この50年近く、初めは箸にも棒にもかからないような作品を描かれていた方が、プロになっていく姿をたくさんみてきました。
本当に、最初は誰でも初心者なのです。
で、反対に才能が溢れているような方が消えていってしまった姿も。
何十年やってもいまだに新人のように自信のないベテラン作家もいらっしゃいます。色々です。
シナリオ・センターもかれこれ50年、一人でも多くの方がデビューできるためにはどうしたらよいのかと試行錯誤を続けてきました。
新井は死ぬまで、基礎技術のほかに何を伝えれば、シナリオ・センターに学ぶすべての人をプロにできるのか本気で悩んでしました。
私は最初こそそんな新井を笑っていましたが、今は新井の想いがわかる気がします。
誰一人、才能のない人間はいない、一人一人違うのだから個性もある・・・世に出る人と出ない人の違いは一体何なのか?
同じように教えているのになぜ違うのか、いまだにはっきりとはわからないのですが、唯一わかっていることは、「諦めない」でいるかどうかです。
アスリートの方々がコツコツと練習の積み重ねていくことで、結果を出しているように。
ああ、でも、パッと力が出るみたいなものをドラエモンはだしてくれないかなと、努力嫌いの私はついついそちらに。
アインシュタインだって99%の努力だっていっているのは知ってはいるのですが。(笑) 頑張らなくっちゃ。