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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ndjcから

セカイイチオイシイミズ

ndjcに川崎僚さん

シナリオ・センター代表の小林です。NPO法人映像産業振興機構(VIPO)が運営する文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」の今年度の製作実地研修に参加できる3人に、シナリオ・センターの川崎僚さんが選ばれました。
おめでとうございます。
ndjcで最終的に短編映画を各制作プロダクションの協力を得て、35ミリフィルム撮影による短編映画を製作します。

この「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」は、監督志望の方が、推薦団体から推薦され、まずワークショップ参加者に選ばれます。
ワークショップで作った作品からまた3名に絞られて、本格的な短編映画(30分前後)を作ることができるというものです。
この狭き関門を川崎さんは突破して、映画製作できることになりました。
実は、ndjc の方々も驚かれているのですが、川崎さんで4年連続シナリオ・センターの方が短編映画を製作させていただいているのです。
2016年目黒啓太さん、2017年齋藤栄美さん、2018年川上信也さん・・・そして、2019年川崎僚さんと。

ここから多くの監督が育っているのですが、シナリオ・センターの方々がこうして映画を創ることができるのはなぜでしょう。
アルタミラピクチャーズの社長・プロデューサーの桝井省志さんは、ndjcでも教えていらっしゃいますが、「シナリオ・センターの方が強いのは、いいシナリオが描けるからだ」とおっしゃってくださいます。
第一次審査は、所属団体から推薦する形なのですが、提出するものはシナリオなのです。
監督でも、シナリオが書けないと、他のシナリオライターの脚本をちゃんと演出できないのです。
その点、シナリオ・センターは、監督の技術はお教えできませんが、シナリオはしっかりと描ける技術を身につけられる、これが強みのようです。
昨年の2018ndjcで創られた川上信也さんの「最後の審判」は業界でも大評判でした。今後の進展が期待されます。
今回、川崎さんがどんな作品を創られるかとっても楽しみです。

目黒啓太さん一番乗り

4年前、ndjcで短編を作られた目黒啓太さんが、ついに長編映画の監督・脚本を手掛けられました。
「セカイイチオイシイ水~マロンパティの涙」
9月21日よりユーロスペース他全国順次公開です。
この映画は、実話を基に創られたもので、20年前、日本とフィリピン両国のボランティアの献身により、戦争の傷を乗り越えて9年もの歳月を費やして完成したフィリピン・パンダンの水道建設工事にまつわるお話です。

NGO「アジア協会アジア友の会」にフィリピンのパナイ島パンダン村に井戸を掘ってほしいと依頼が来ました。ですが、その島に安全な飲料水を供給するには、井戸水では間に合わず、きれいな水を水源から丘を超えて引かねばならないことがはわかります。
「パンダン飲料水パイプライン事業」がスタートします。
ところが、フィリピンは第二次世界大戦で日本軍に踏みにじられた国、そのつらい記憶がフィリピンの人々に心の傷として残っていました。
日本人をよく思わないフィリピンの人々、なかなか協力を得られない中、9年の歳月をかけて様々な苦難を乗り越えるうちに、日本人とフィリピン人の固い絆が生まれ、日比の友情の証「パンダプロジェクト」は完成したのでした。
その水を飲んだパンダンの人々は叫びました。「セカイイチオイシイ!!」

安全な水が供給できずに死んでいく子供たちが世界中に年間100万人以上もいるのだそうです。
私たちは、目先のことだけでなく、大きな目でみていかなければいけないのだと思います。
韓国との問題もそうですが、過去のみにとらわれることなく、過ちはきちんと認めながら、今を大切に、他人の痛みを知ろうとすることが大事なことだと思います。
この映画は、世界中の人々に、心を閉じずに、オープンマインドにすることで、人と人は信頼しあえることを教えてくれています。
人と人の結びつきの大切さを伝えてくれる映画です。
こんな社会であるからこそ、たくさんの方に見ていただきたいと思います。

 

 

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