自然の力
シナリオ・センター代表の小林です。すごい台風でしたね。自然の猛威にはどう抗っても勝つことができません。
被害にあわれた皆様、お見舞い申し上げます。
今朝の電車は、大変だったようで、なかなか動かない電車を待つ人の波、押し合いへし合いの電車の中、しかもめちゃ暑いという出勤に大変な苦行を押し付けられました。
シナリオ・センターは、午後から開くことにしてホームページでもお伝えし、私自身も朝の当番のスタッフには、ゆっくり昼に出社すればいいからと連絡しました。
それでも、本当にうちのスタッフは勤勉で、頑張って一刻でも早く来ようとしてくれるのです。押し合いへし合いの電車に汗だくになりながら来てくれました。ありがたいことです。
私はひどく楽をして、連れ合いに車で送ってもらったのですが、青山通りの並木は、枝がぽっきり折れていたり、根こそぎ倒れていたりと、風の強さを目の当たりにしました。
我が家のお隣さんも、後ろの家からトタンが飛んできたとかで、雨戸をしていたから助かったものの、そのままガラス戸にぶつかったら危ういところだったそうです。
もちろん「備えあれば憂いなし」が大事ですが、災害はどのように起こるかわかりません、なにをどう準備したら万全なのか・・・想定外ばかりが多い昨今、気持ちは焦るばかりです。
年々おかしくなっていく気候に、昔ながらのまま気合で乗り切れというのはやめてもらいたいものです。
壊れた戦闘機を買うなら、災害の対策・準備に税金を使ってもらいたいです。まだ災害から復興していない東北はもちろんのこと西日本や九州、北海道、山のようにあるのですから。
消費税アップは、福祉と復興のみに使ってください。心からお願いいたします。
アジアドラマカンファレンスに期待すること
嫌韓一色の雰囲気の中、今年もアジアドラマカンファレンスが行われて、日本からプロデューサー、ディレクター、脚本家のみなさん40数名の方が韓国の仁川にお伺いしたそうです。
センター出身の柏原寛司さん、加藤正人さん、李正姫さん、土橋章宏さん、いとう菜のはさんらが出席されました。
アジアドラマカンファレンスは、アジア各国のテレビドラマ脚本家、制作会社のスタッフ、プロデューサーが一堂に会して会議、発表してお互いに交流を深めるというもので14回目を迎えます。
各国のドラマ産業への寄与を目的として、企画協力、制作協力などお互いの支援体制が生まれています。
韓国、中国との連携は素晴らしく、政治的には情勢は悪化して、社会もそれに迎合するかのごとくですが、創作者たちの世界は違います。
創作という一点で国を超えて、お互いを分かり合い、認め合うことができるのです。
アジアドラマカンファレンスは、今までの長いお付き合いも含めて、これからまた新たな交流、連携がどんどん深まってくることでしょう。
ものを創り出す感性は、どの国でもどんな人種でも同じで、想像力とそれぞれの違いを認め合う大きな心の広さを持っています。
すべてのことは、お互いを認めることからしか始まらない。それにはお互いの背景・事情を想像し、お互いをいかに高めあっていくかに重きを置くことで、お互いを貶めあうことではありません。
何かを言えばすぐにレッテルを貼りたがる情けない世の中でも、創作の力が頑張れば、必ず変えていってくれると信じています。
折しも「表現の不自由展・その後」の中止で色々と論議を呼んでいます。
日本シナリオ作家協会、日本劇作家協会、日本ペンクラブ、日本映画監督協会、日本漫画家協会等など、多くの創作者たちが中止について抗議声明を出しています。
決して妨げられないこと、表現の自由、創作の自由は、人としての本質です。
「人はみな違う」ことが当たり前だということにしっかりと思いをもって、自分と違う人の意見も想いもわかろうとして欲しいと思います。