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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人のありかた

引っ越し大名!相関図(プログラムから)

まだ電気が・・・

シナリオ・センター代表の小林です。一体いつになったら、千葉に電気はつくのでしょう?
台風からもう何日たったのか・・・お上は数えていますか?
千葉の方々がどんな思いで毎日を過ごしていらっしゃるのか、お一人お一人の顔が浮かびますか?姿が見えますか?
想像してください。人としても、人の上に立つ人はなおさら大事なことですから。
想像力のない人は人の上に立ってはいけません。

千葉にご両親が住まわれているので、何とか車でかけつけようと思っていらしたら、やっとつながった電話で、ご両親に、自分たちは何とかできるから、信号もなく危ないし、今はなにも動きが取れないから来ないでほしいといわれたという話を知り合いからお聞きして、個人ではどうすることもできないのが現状なのだということがよくわかり、つらい気持ちになりました。
それだけに公の力が素早く発揮されなくてはいけないと思うのですが・・・。
これって緊急事態じゃないのでしょうか?
我慢にも限度があるので、最悪の状態から早く抜け出せるようにと願います。
ひたすら今は祈るしかないのが歯がゆいです。

見てほしいな、お上に。

明日は、ミソ帳倶楽部で「引っ越し大名!」原作・脚本の出身ライター土橋章宏さんをお迎えします。
試写を見逃してしまったので、今朝急いで拝見してきました。
土橋さんの小説も楽しく読ませていただきましたが、映画は原作とまた一味違った楽しさでした。
時代劇だけど時代劇で終わらない、コメディだけどコメディだけで終わらない土橋ワールドの懐の広さ、深さを堪能してきました。
引っ越しという大事業を核に、際立ったキャラクターがそれぞれぶつかり合い、助け合い、裏切り、愛し合い、面白いだけでなく人間性が見事に描かれていて、笑いながら、「上に立つものはかくありたい」と現在にリンクさせられ、ただ面白いだけでは終わらない映画でした。

減封での引っ越しに、リストラしていかなければならない侍たちに、百姓になって待っていてくれといいます。帰農です。
置いていかれる、リストラされた悔しさに歯噛みする人たちに、加増されたら必ず迎えに来ると約束した主人公が、離れても、百姓の身になっても、家臣としてつながりを持ち続け、常に引っ越し先での状況をつぶさにリストラされた侍たちに手紙で知らせていたことがわかるシーンでは、本当にこんな人がいたらどんなに人は救われるかと思ってしまいました。
そして、10数年後加増が叶って迎えに行くのですが、百姓になるくらいなら腹を切るとと言っていた人たちが、家臣に戻らず、田を耕し続けたいと刀を渡すシーンには、百姓へのリスペクトがこめられ、見事なまでに広がる田畑にすべてを語らせていました。
また、すべてを切り詰めるときに抵抗する上司に「借金を子どもに残すことはずるい」という主人公春之介のセリフは、誰かさんに聞かせてやりたいです。
多分、土橋さんも犬童監督もそんな思いでいわせたのかと。(笑)
随所に散りばめられた現代の世相を笑いをまぶして皮肉ったシーン、セリフが見事です。時代が変われど人は変わらないのですね。
このモデルになった松平直矩は、本当に7回国替え、引っ越しさせられたのだそうです。
歴史的事実を基に徹底的にエンタテイメントに仕上げていくそのうまさに感服しました。

ミソ帳倶楽部では、どんなお話をお聴きできるでしょう。
質問も受け付けますので、土橋ワールドの秘密を盗むつもりでおいでください。

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