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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

映像の面白さ

カツベン!プログラムから

台風情報

シナリオ・センター代表の小林です。毎日台風19号のニュースでもちきりですが、本当に今までのような、自分は大丈夫的な気持でいると危ないようです。
ご自分のおうちの備蓄、懐中電灯などの停電対策などはもちろんですが、近隣のご迷惑にならないように、植木鉢や看板などしまわないといけませんね。
温暖化の影響で、台風は大型になっているのだそうで、今後もどんどん大きく強くなってくるとか。
想定外の枠を広げていかないと対処不能になりそうです。
いたいけな少女に声を上げさせてしまった無責任な大人を反省しつつ、大人たちがきちんと将来を見据えて、責任を持って対処していかなければと思います。

先日、千葉の友人がこんな話を。
ありがたいことに、色々な方がご心配くださって連絡をくださったそうです。
10分ほど車で行った先は停電になったのですが、自分のところは停電もなく全く無事で、その旨を伝えたら、「さすがあなたは、悪運が強いのね」と言われ、すごく落ち込んで、大丈夫だったといわなきゃ良かったと思ったと話してくれました。
災害に合われている方々にも、同じ千葉でありながら申し訳ない気がして、肩身が狭いとも。
すごくおかしな話です。無事であるところが多ければ多いほどよいことで、無事を喜ぶことは当たり前のことではありませんか。でも、違うのですね。こういう話は震災の時にも聞きました。
人は、マスコミもそうですが不幸な人が好きです。「他人の不幸は蜜の味」って言いますから。思っていたより不幸でないと面白くない。
人はみな違うのですら、他人への想いをどれだけ考え、想えるかということが大事なことだと思います。
私自身も常に心したいと思っています。
それぞれの地域によって影響は違うと思いますが、くれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。

カツベン!

周防正行監督の新作の試写を拝見してきました。
「カツベン!」12月13日、東映系で全国公開です。
「カツベン」といわれても、わからない方も多いかもしれませんが、かつ弁当の略ではありません。活動弁士です。活動弁士といわれも、なおピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
映画の始まりは、エジソンが1893年キネトスコープを作ったのが始まりですが、日本では1897年(明治30年)、大阪で初興行が行われました。
当時は、映像は撮れるのですが、音が取れませんでした。無声映画と言います。なので、映画を説明する人が必要だったのです。その人が活動弁士、略してカツベンというわけです。
今では、絵も音も同時ですから、普通の映画にはついていませんが、現在でも活躍されている活弁さんはたくさんいらっしゃいます。
われらが先輩林海象監督の「夢見るように眠りたい」もカツベンが生きていますものね。

内容は見てのお楽しみにしたいと思いますが、私が面白いなあと思ったのは、映画の中でも、同じ映画が弁士によって内容が一変することです。
「南方のロマンス」という映画、手紙が結ぶ可憐な恋物語なのですが、弁士が替わると下ネタ、ポルノまがいのお話になります。これがすごく面白い。(笑)
活動弁士は、説明というよりもある意味、音のない映像を見ながらお話作っているところもあるのです。
なので、一番活躍した大正時代では、銀幕のスターよりも「活動弁士」がスーパースターだったのです。
私の知っている弁士は、話芸の神様といわれた徳川夢声さんです。
その夢声さんをモデルにした山岡役を永瀬正敏さんが演じています。
カツベンって基本、映画の説明するわけですけれど、夢声さんはあるときから、前説とか映画を邪魔する無駄な説明を嫌ってあまりしゃべらず、お酒を飲んで舞台上で寝ていたという逸話もあるそうです。
「映画ってやつは初めからできあがっている」というセリフを山岡にいわせていますが、これは夢声さんが言った言葉だそうで、映像の特性をいち早く見抜かれていたということでしょうか。
活動写真にオマージュを捧げた素晴らしい脚本とそれを見事なエンタテイメントした周防監督の腕に2時間たっぷり楽しませていただきました。
上映になりましたら、ミソ帳倶楽部に周防監督をお招きしたいと思っていますので、映画の上映とともにこちらも楽しみにお待ちください。
映画って、やっぱりいいですね。

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