センタークライシス
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は大慌ての日でした。なんとPCが次々と壊れちゃって、私は一日中ぼんやり過ごしてしまいました。
なんかよくわからないけれど、ウインドウズのせいらしく、うちだけでなく大騒ぎになっているようで、どれだけPCに依存しているのか・・・やっぱり手書きが一番でしょうか。(笑)
担当の数谷が一生懸命、修理修復してくれたのですが、全部は無理で・・・。
私のPCは何にもなくなっても大丈夫と思っていたのですが、修復不可能な中には、保存しておかなければならないものがあったことがわかり、今日は今日でがっくり来ています。
仕方なく、過去は振り返らないで、前へ進めばいいのだと、やれることを粛々とやるしかないさと言い聞かせています。
過去を振り返って反省することも大事ですが、まずは現在進行形でひとつひとつやっていきます。
たまに、こういう事態が起こって、何が大切なのかを考えることも必要なことかもしれません。
それにしても、便利なものはひとたび動かなくなると不便を通り越して、どうにもならない状態になる、案外文明はもろいものなのかもしれません。
今、すべてのPCが止まってしまったら、制御不能になったら、地球上で残る国はどこなのでしょうか。
相次いでの受賞
グダグダいっていたら、素敵なニュースが2つも届きました。
ノースアジア大学文学賞、短編小説部門で内館牧子特別賞を本科のきむらまいさんの「人間真珠」が受賞されました。
おめでとうございます。
きむらさんは、内館さんに憧れてシナリオ・センターへ入学されたそうで、このコンクールも内館さんに読んでもらいたくて応募されたそうです。
それがドンピシャに受賞。しかも初めのコンクール挑戦という快挙です。
ちょうど内館さんに11月放映の「TBC60周年記念ドラマ小さな神たちの祭り」のシナリオ掲載をお願いしていることもあって、内館さんとやり取りをさせていただいていたのですが、内館さんからも、「ご本人に表彰式で会ったら、センターに通っていると知り、びっくり。とてもいい短編小説でした」とおっしゃっていただき、きむらさんがどんなに嬉しかったか、私にも伝わってきました。
尊敬している先輩とこうした交わりができるなんて、最高ですね。
また、3月中旬には、受賞作は作品集を発行してくださるそうです。
読ませていただくのが楽しみです。
第50回埼玉文学賞に元作家集団の霜月ミツカさんが、「ツクモの家」で小説部門の正賞を受賞されました。おめでとうございます。
霜月さんは、過去にも大学生の時に日芸の江古田文学賞を受賞されており、実力十分な方です。
受賞作「ツクモの家」は、トランスジェンダーの夫とその妻の物語です。
ある日自宅前に置き去りになっていた赤ちゃんを巡り、育てたいという夫と反発する妻。すれ違いを経て、二人は純粋な愛を確かめ合うという今日的なテーマを取り上げたことを評価されました。
「LGBTは生産性がない」と言った人もなげな国会議員の発言が波紋を呼びましたが、霜月さんは「生産性とは子供を産んで育てることだけではない。いろいろなものを創造する人で社会は成り立っている」と訴えています。
まさに、ご自分の想いや考えをしっかりと持たれているからこそのテーマ選びで、作家とはかくあるべきだと思います。
埼玉新聞に掲載された小説を読ませていただきましたが、人が優しさを失いつつある昨今だからでしょうか、人としてやさしさが、貴重なことではなく当たり前のことである大切さが、すごく心に響きました。
多くの方に読んでいただきたい小説でした。(埼玉新聞11/6朝刊に掲載されています)
受賞後、霜月さんから「この受賞は貴校で学んだ賜物です。」との嬉しいメッセージをいただきました。
本当にありがとうございます。