menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

なにかが

反戦ポスター

利他性

シナリオ・センター代表の小林です。なんだかきな臭い情勢になってきました。日本はちゃんと考えて対処できるのでしょうか。第三次世界大戦を懸念される方もいらっしゃいますが、まさか同じ轍を踏むほど馬鹿ではないと思いたいです。
誰もが平和を望んでいるのに、誰もが戦争はしたくないと思っているはずなのに・・・。私たち国民が死者〇人という数字で括られることなく一人一人の家族も友達もいる人間として扱われることを、先の大戦のようなことが起こらないことを切に願います。

なぜ分かり合えないのだろうと考えたときに、元旦に「多様性ってなんだ」という特集を読んだことを思い出しました。
生物学者の福岡伸一さんと保育士でライターのブレイディみかこさんの対談で、「個の尊重」が人間の本来の姿だとお話しされていたのです。
英国で保育士をされていたブレイディさんは、「なぜ多様性が大事なの」と息子さんに聞かれて「うんざりするほど大変だし、めんどくさいけれど、多様性は無知を減らす」と答えたというのがとても印象的でした。
それに応じて息子さんはエンパシーとは何かという試験で「自分で誰かの靴を履いてみること」と答えました。
シンパシーとエンパシー同じ様でちょっと違い、シンパシーは共鳴するという感情の動きで特定の人が対象、エンパシーは、他者の立場を想像して、理解しようとする自発的で知的な作業なのだそうです。
だから「自分で誰かの靴を履く」ということは、自発的に他者のことを知ろうとする姿なのですね。
常に申し上げているように人はすべてだれもみんな一人一人(しつこいですが(笑)違うのです。まったく同じ人はいないのです。
だからこそ利他的になれる能力を持たない人間が増えると世の中は成り立たなくなります。今がまさにそうなのかもしれません。
ドラマは、そこを利用して、面白くしているわけですが。
福岡さんは「自ら学ぼうとしないと自分の利他性に気づけないのです。何も知らないままでは他者の立場を考えられない。偏見や強者の支配にとらわれてしまいます。学ぶのは『自由』になるため。そして、『自由』になれば人間は人の靴を履くこともできると思うのです」とおっしゃっていました。
人間の本質、生き方を示している対談でしたが、まさにドラマの本質、創り方でもあると思うのです。ドラマは人間を描くものですから。
葛藤・相克というものは表面的なものでは描けません。ドラマの中で動いていく人間たちは多くの学びの中から導き出していきたいものです。

1月期連ドラ・アニメ

1月の連続ドラマが始まりました。
出身ライターの皮切りは、浜田秀哉さんの「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」(CX)月曜日からでした。
月曜日 桑山さや香さん「やめるときもすこやかなるときも」(NTV)、山本むつみさん「病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~」(テレビ東京)
火曜日 後藤法子さん「10の秘密」(CX)
水曜日 中瀬理香さん「number24」(TOKYOMX)、吉田玲子さん「魔術士オーフェンはぐれた旅」(TOKYOMX他)
金曜日 吉澤智子さん「病院で念仏を唱えないでください」(TBS)、入江信吾さん「駐在刑事Season2」(テレビ東京)、待田堂さん「ランウエイで笑って」(TBS)、大野敏哉さん「約束のネバーランド」(CX)
土曜日 いずみ吉紘さん「アリバイ崩し承ります」(テレビ朝日)、桑原亮子さん「心の傷を癒すということ」(NHK総合)、
日曜日 高橋麻紀さん「テセウスの船」(TBS)、蛭田直美さん「シロでもないクロでもない世界でパンダは笑う」(NTV)、武井彩さん「捜査会議はリビングで おかわり!」(BSプレミアム)青木万央さん、松井香奈さん、中園勇也さん「ひみつ×戦士ファンとミラージュ」(テレビ東京)
今年も皆さんご活躍です。
2020年、シナリオ・センターも新たなスタート切ります。次の半世紀を目指して、皆さんも大いに書きまくってください。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ