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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

「 脚本家になるには地方 在住では難しい?」とお悩みのかた必読
脚本家 いとう菜のはさん

「脚本家になりたいけど、地方在住だと難しいのかな…」とお悩みのかた。
今回ご紹介する出身ライター いとう菜のはさんのコメントを是非ご覧ください。

いとうさんは、シナリオ・センターの基礎講座から作家集団まで通信講座で学ばれ、現在、脚本家としてご活躍中。

今回は、脚本を担当された東海テレビ・新春エリアドラマ『おかえり ~とこわかの町・伊勢~』(2020年1/2放送)のご執筆エピソードのほか、地方在住のまま脚本家として活動するにあたって、いとうさんが大事に思われていることについてもお話しいただきました。

なお、『月刊シナリオ』(2020年4月号/3月末発行)には、いとうさんのロングインタビューを掲載いたしますので、併せてご覧ください。

まずは、『おかえり ~とこわかの町・伊勢~』のあらすじから。

『おかえり ~とこわかの町・伊勢~』あらすじ

舞台は伊勢神宮の外宮からほど近い、昔ながらの風情を残す町、伊勢市河崎。
高校2年生の西川夏美は、母・しのぶとともに、この町のゲストハウス「とこわか」を切り盛りしている。絵画コンクールでの入賞をキッカケに美術系の大学に進学したいという想いが芽生えるが、母を残して故郷を去るわけにはいかない…と夏美の心は揺れていた。
ある日、町にフリーの若手カメラマン田中恭平がやってくる。恭平と一緒に伊勢の歴史や文化を学び、伊勢神宮の式年遷宮で表される考え方でもありゲストハウスの名前でもある「常若(とこわか:古くなったものを作り替えて常に若々しくして永遠を保つ)」の精神を今まで以上に知っていくうちに、自分の未来について深く考え始める。
そんなとき、「使われていない蔵をギャラリーとして再利用するにあたって、最初の絵を描いて欲しい」という依頼が夏美に舞い込んできて――。

「星の数ほどいる“その他大勢のライター”の中からキラリと輝きを発せられるかどうか」

―― エリアドラマとして成立させるだけでなく、母と娘それぞれの想いや葛藤を描くうえで、意識されたり、難しかったところはありましたか?

〇いとうさん:「母と娘の葛藤」は、時代や世代、地域にかかわらず、普遍的なテーマだと思います。

その部分と地域性を融合させるのは、難しいというよりもむしろ楽しい作業でした。その土地にしかない要素を取り入れることで、ストーリーが走りだしてくれるので・・・

ワンテーマで描くのが難しい時、落語の三題噺みたいに全く別の要素やモチーフを掛け合わせると、思いがけない方向に話が転がることがあります(これ、柏田先生の「600字シナリオ」で学びました!)
以前、柏田講師が担当されていた『公募ガイド』(公募ガイド社)のコーナーです

――今回のドラマ制作を通して、新たに発見されたことや改めて実感されたことはありますか?

〇いとうさん:プロデューサーや監督を交えてのブレストで、自分の脳内だけでは生まれない別角度の見方に気づけたりして、あらためてチームでのものづくりの楽しさを実感しました。

自分の力なんてちっぽけなものだと思っています。俳優の解釈、監督の演出、照明の角度、ロケ地の空気、編集や音楽・・・。いろんな要素が合わさって完成されていく映像の世界が大好きです。

――脚本家として活動されている中で、「シナリオ・センターで学んだこんなことが役に立っている」ということはありますか?

〇いとうさん:突き詰めれば、大事なことは全部『シナリオの基礎技術』に網羅されていると思います。私は独学の頃からこの本で基礎を学びました。通信生でゼミに出られない分、誰よりも真剣に読んだかもしれません。

基礎があればこそアレンジもできるし、あえて型を破ることもできます。

シナリオの技術向上はもちろん、現場でスタッフと対等に渡り合うためにも、必要な勉強だったと思っています。

――シナリオ・センターの通信講座生など、地方で暮らしながら脚本家を目指している方々から、「脚本家になるには東京に出てこないとダメですか?」といった質問をよく受けます。もし、いとうさんがこの質問を受けたら、どのように回答されますか?

〇いとうさん:残念ながら、このネット社会においても今の日本の映像界は、断然関東圏在住の方が有利だとは思います。

それでも、たまーにやってくる企画書やプロットの仕事を、誰よりも早く、かつ高い完成度で提出する、ということを繰り返しているうちに、直接ご指名いただけるようになり、仕事に結びついてきました。

星の数ほどいる「その他大勢のライター」の中からキラリと輝きを発せられるかどうか。

一番大事なことは、そこだと思います。

※いとうさんは、第10回伊参スタジオ映画祭 審査員奨励賞、第11回伊参スタジオ映画 上毛新聞社賞、第5回南のシナリオ大賞 大賞、第17回函館港イルミナシオン映画祭グランプリ、第27回橋田新人脚本賞入選作ほか、さまざまなコンクールで受賞されています。
第27回橋田新人脚本賞を受賞された際の模様と、いとうさんの受賞コメントはこちらをご覧ください。

※シナリオ・センター出身の脚本家・小説家・映画監督の方々のコメントを掲載『脚本家・小説家コメント記事一覧/脚本や小説を書くとは』はこちらからご覧ください。

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