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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

節分、明日は立春

鬼は外、福は内

鬼は外

シナリオ・センター代表の小林です。今日は節分。今年は外へ追い出したい鬼がいっぱいいそうで、ひときわ「鬼は外!」の声に力が入ります。
シナリオ・センターでは、毎年、入り口に柊とイワシの頭の厄除を飾り、豆まきをします。
もちろん、お昼は、事務局全員恵方巻を西南西に向かって無言で食べました。美味しかった~。(笑)
私は年女ではありませんが、豆まき係。鬼役の超素晴らしい演技に誘われて、思いっきり豆を投げちゃいました。「鬼は外!」通りがかりの方がびっくりしていましたが・・・。
各教室を巡って、教室が汚れないように(考えております、はい。)小袋入りの豆をまき、「鬼は外 福は内!」厄除いたしました。
明日見つけた方は、今年はきっと縁起がいいわい~ですよ。
事務局の鬼からひと言、「鬼は出ていきましたので、安心して勉強においでください」

鬼というと、閻魔大王の獄卒として控えているせいか強い、怖い、恐ろしいものとして思われ、「鬼は外」になるらしいのですが、地方によっては「鬼は内、福は内」というところもあるそうです。
心の闇を心の鬼と表現することもあり、実際には心の鬼が一番怖いかもしれません。
そんな心の鬼を描くのがドラマ。小さい鬼から大きな鬼まで様々な鬼をあぶりだしてみたいものです。
「新井一賞」の「セリフは嘘つき」という課題も、そんな心の鬼がうごめきそうです。

ベスト5

朝日新聞の芸能欄に「冬ドラ記者座談会」という記事が載っていました。
放送担当記者の方々6人がお勧めドラマ上位作品を5本選んでいました。
① テセウスの船(TBS)出身ライターの高橋麻紀さん脚本
② 知らなくていいコト(NTV)大石静さん脚本
③ コタキ兄弟と四苦八苦(テレ東)野木亜紀子さん脚本
④ 病院の治しかた(テレ東)出身ライターの山本むつみさん脚本
④ 心の傷を癒すということ(NHK)出身ライターの桑原亮子さん脚本

ご覧になっておわかりのように、3作品が出身ライターの方の作品。
「テセウスの船」は、SF、サスペンスに加え、家族の絆というホームドラマの要素もある。でも、どれも過度になりすぎずバランスよく表現できていると評価。
高橋さんは、構成が巧みな方ですから、ドキドキハラハラはもちろん、どの人も怪しく見せるすごさに引き込まれます。
「病院の治しかた」は、病院ものが多い中で経営が傾いた病院の再生に焦点を当てて目立っていた。病院の裏側が見えるようで興味深いと。
実話がもとではあるのですが、山本むつみさんの視点は鋭く、実話に引っ張られないオリジナルとなっています。次から次へとくる難題とぶつかりながら再生を試みようとする院長、よくある定番のような悪役は一人も出ずそれぞれのプライドや生活、生き方のために院長と対峙する人々、さすがです。
「心の傷を癒すということ」医師が登場するドラマの中で出色。阪神淡路大震災の被災地で心のケアに奔走した精神科医の実話をもとにした物語で医師の大きなやさしさで傷ついた人達に向き合う姿が胸に突き刺さると。
桑原亮子さんは、大阪校出身。それだけに大阪と神戸というわずかな距離で生活が違っていたことも体感していらっしゃるようで、きめ細かく被災者の方々の気持ちを精神科医の主人公を通して見事に描いています。

大石静さん、野木亜紀子さんのドラマも拝見していますが、キャラクターが見事でそれだけに心に刺さるものがあります。うまい!
どのドラマを観ても、やはりシナリオがしっかりしています。
ただのストーリーではない、人間ドラマが描けているからこそ、面白いのだと思います。
ドラマとは人間を描くこと。
設定やアイデアがどんなに面白くても、人間が描けていなければ生かせません。
先輩の方々の作品は、楽しみながら勉強になります。 

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