義援金
シナリオ・センター代表の小林です。立春。今日から節気がかわります。なのに、予報では明日から今季最強の寒気が来るみたいなことを。今まで暖かすぎたから?寒ければウイルスはどうなるの?
今年は始まりから波乱含みですが、それでも、春は来る、明けない夜はないのですから、気を確かにもってしっかり前向いて生きていきましょう。
昨日、鷹井伶さんが、月刊シナリオ教室の取材においでくださった折、ご自身の新刊本「お江戸やすらぎ飯」を持ってきてくださいました。
そして、素敵な提案をしてくださったのです。
「確かシナリオ・センターでは、災害義援金を募っていたと思うので、売り上げは全部義援金に入れてください」と。カバーまでかけてくださっていて。
ありがたいことだと思います。
年が明けた今もブルーシートで過ごされているところも多く、東日本、福島はもとより、台風15・19号などで被災地、西日本土砂災害、熊本、北海道地震の被災地もどこも、オリンピックに人も資材も取られて、まともに復興していないのですから、お上が見て見ぬふりをしても、下々の私たちは、そばで共に生きる人々を決して忘れてはならないと思うのです。
常に他人を想う心=想像力をなくさない、心がけていきたいものです。
鷹井伶さんの「お江戸やすらぎ飯」、シナリオ・センターで買ってください。義援金箱にポンと本代を入れてください。
あなたみたいになりたくない
立春の今日にふさわしいイベントに行ってきました。若手映画作家育成プロジェクト2019合評会です。
前にもお話ししましたが、2019年は、シナリオ・センター推薦の川崎僚さんが選ばれ、30分の35ミリ映画を撮影されました。
今日は、選ばれた3作品の合評会、私も講評者の一人として拝見させていただきました。
川崎僚さんの作品が一番最初に上映されました。
「あなたみたいになりたくない」(30分)
鈴木恵28歳。地味なOL、彼氏ナシ。「このまま一生一人ぼっちかも・・・」という焦りから結婚相談所へ入所。ある日上司に、「独身で孤独な人」と陰口を叩かれている先輩OL小山聡子(42)と見間違えられ、ショックを受ける。そして・・・。
「婚活」を重ねるOLが、先輩の意外な一面を知ることで、他力本願な自分から自身で生き方を考える女性へと成長していくお話です。
優しいテンポで、一人で生きることの不安にあえぐ女性が成長していく姿を気持ちよく描いていました。
小道具の使い方もうまく、ドールハウスを使うことで、あまり説明せずに先輩の生き方、考え方が伝わるところはさりげなくうまくできていました。
映像的にも、次々と婚活する姿、その衣装に彼女の想いがよくでていて、ラスト自分を取り戻すときにはナチュラルな衣装になるなど女性監督らしいきめ細かい変化で女性の想いを見せています。
川崎さんは、前から女性を撮ることがうまい監督さんですが、この女性目線はとても大事なことで、男性には気がつかない部分を鋭く描いていくことは、大きな武器になると思います。
なんだかんだいっても、世の中は男性社会。それに切り込んでいくには、ある意味、差別を逆手にとって女性だからこそ描ける、しっかりした女性目線、視点を持つというのは絶対に必要だと私は思っています。
川崎僚監督の今後の活躍に期待しています。
他の2作品は、息子を病から救おうとする母親が異常事態に巻き込まれていくSF「LeCerveau」(島田欣征監督)、小学4年生魚座の子供たちが大人に翻弄されていく姿を描いた「魚座どうし」(山中瑤子監督)でした。
東京は2/21~27角川シネマ有楽町で、名古屋3/9~12ミッドタウンスクエアシネマ、大阪3/13~19シネ・リーブル梅田で、期間限定ロードショーとなりますので、見てください。