menu

脚本家を養成する
シナリオ・センターの
オンラインマガジン

シナリオ・センター

代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

知性とは

八坂神社の茅の輪

きっかけ

シナリオ・センター代表の小林です。自粛気味の3連休は、いかがお過ごしでしたか。
とてもいい天気でいい気候の東京。どこにコロナの影響があるのかというくらい、案外の人がでているのにびっくり。
銀座の歩行者天国は賑わっていたし、四谷の土手では花見の宴を開いている人もいらしたし・・・。
テニス仲間に大手商社の方が多いのですけれど、1カ月あまりのテレワークにホトホト嫌気がさして、テニスでうっぷん晴らしとのこと、本当に嬉しそうにテニスに興じていました。花見にもってこいのいい天気だし、家にいるのに嫌になっている方が増えているようです。
いつもとちょっと変化があるなぁと思ったのは、年配の方は比較的少なく、若者と子連れの若夫婦が圧倒的というところでしょうか。
せめて、このまま終息までなんとか暮らせればいいですね。
だけど、本当に日本は大丈夫なのでしょうか。世界中でとてもシビアなのに、暢気すぎはしない?大丈夫な?どこまでも本当かわからない情報に、途方に暮れるばかりです。
今、トランプ大統領はじめ世界中のトップがコロナウイルスと戦争だとおっしゃっています。
コロナには、戦闘機もイージス艦も太刀打ちできません。辺野古基地も必要ありません。
世界は一つの敵に向かう、人間同士の戦いはもうやっていられない。必要もない。むしろ手を結びあわなくては、生き延びることはできないかもしれない。
兵器に費やすお金は、それに代わる科学の力の結集のために使い、コロナウイルス、またこれからくるかもしれない未知のウイルス対策に使ったら、誰もが幸せな世界に近づく気がするのですが・・・。
私たち人間は、もっと謙虚に想像力を持って生きていきたいです。
京都八坂神社では、疫病退散の茅の輪を143年ぶりに出したそうです。コレラが流行した明治10年以来とか。
もはや、神だのみしかないのでしょうか。
神様、どうか、疫病退散よろしくお願いいたします。
そして、これをきっかけにウイルス鎖国が解けた暁には、世界中が手をつなぎますように。

 

知性の劣化

文化・芸術が好きだ、創作することが好きだということは、本当にありがたいと思いました。
ウツウツする日々を何とか過ごせるのも、あれこれ想像したり、文章を書いたり、絵を描いたり、本を読んだり、映像を見たり・・・なんとか気分良く過ごせています。
今は、新しいことを始めるには躊躇するところがありますが、想像は誰にも遠慮がいりません。
そこには自分自身しか介入してこないので、好きな世界を構築することもできます。
ですが、一人遊びではなく、多くの人とつながる。伝えるために大事なことは、「他者の痛みを想像できる」かどうかだと思います。
他人に伝えたい思いは、そこがないと誰とも共感も得ず、つながりません。

先日ある雑誌を読んでいたら、芥川賞作家の川上未映子さんが、女に生まれてよかったとおっしゃっていて、
女性としてとても悲しいことなのですが、その理由に私は深く感動してしまいました。
女は「予め何かが奪われていたり、低く見られたりすることの痛みがわかるから」
「他者の痛みを想像できることはやはり、人間にとっていちばん大事なこと。思いやりにつながるから。
そして、きっとそれが自分のことを振り返る手段になる。だからこそ、変えなくてはならないものが見える。それこそが知性だと思います。」
内田樹さんの著書に「サル化する世界」(文藝春秋刊)では「今さえよければ、自分さえよければそれでいい」という社会の劣化をどう歯止めをかけるかというお話をされています。
知性が劣化してきている昨今、私たちができることは、想像力を広げることなのではないかと思うのです。
書くという作業は、自分の脳の中を整理することができます。新しい考えを構築することができます。
自分を見つめ直せる絶好のチャンスと考えて、ウイルスの特効薬は作れませんが、他人と大事に関われる優しい気持ちでいられる特効薬はドラえもんに頼まなくても、創っていける、創っていきたいと思います。

過去記事一覧

  • 表参道シナリオ日記
  • シナリオTIPS
  • 開講のお知らせ
  • 日本中にシナリオを!
  • 背のびしてしゃれおつ