新井一賞
シナリオ・センター代表の小林です。
やっと、オリンピックの延期が決まりました。どうなるのかわからないことほど、気持ちを腐らせるものはないのですから、さっさと決めて、対応すればいいのにと思っていましたが、やっと・・・。色々問題はあるだろうけれど、動くことができるようになっただけましだと思います。
でも・・・今朝、センターの郵便物の中に、「東京2020大会交通混雑緩和に向けたご協力のお願い」という封書が届いていました。
7月に始めるオリンピックに対して中小企業向けの交通流通マネジメントの必要性のご理解へのお願い書でした。
延期の報が出た次の朝の郵便。日付を見ると3月に送るための手配を整えていたからでしょうけれど、1円でも損失を防ぎたいはずなのに、なんで、延期か中止かわからないという時期に送るのでしょうか。ちょっと頭を巡らせば、まだ先の事なのだから、先が見えてから送ろうとか考えませんかね。
こうして損失は増えていくのだと、ホトホト嫌になります。あまりにもお役所仕事。
いやなニュースばかりで楽しくないので、どうしたら楽しめるかを考えています。
シナリオ・センターでは、なんといっても「シナリオを描く」ことですよね。
シナリオの中では、なんでもできます。思いっきり、素敵なことを想像して、創造すれば気持ちは上向きます。
創作が大好きな皆さんには、想像もつかないかもしれませんが、案外創作が苦手の方って多いのですよ。
その点、想像力をどこまでも飛ばせるし、広げられる力を持っているって本当にありがたいです。本当はすごいことなのだと思います。
ご自分は幸せ者だと思って、おもいっきり描きましょう。ポジティブにポジティブに生きていきましょう。エイエイオー!(笑)
新井一賞もあります。どんどん描いていこうじゃありませんか。
5月25日締め切り。課題は「セリフは嘘つき」
周りを見回せば、面白いネタがいっぱい落ちています。(笑)
浅田次郎さん
浅田次郎さんが、「流人道中記」という時代小説を出され、旅行雑誌のインタビューを受けていらっしゃいました。
「流人道中記」は、江戸日本橋から流刑先の蝦夷・松前藩をめざしいく罪人青山玄蕃と、押送人石川乙次郎が、道中抜き差しならない事情を抱えた市井の人々と遭遇していく姿を描いたものです。
杉戸、佐久山、芦野、白河、大河原、仙台、一関、盛岡、五戸、浅虫、三厩、松前と小説の舞台は進んでいきます。
インタビューに応えて、浅田次郎さんは「小説を書くための取材には何度も行きました。
取材するときっていうのはいつもそうですけれど、現場で調べ物はしません。
20年前と比べても、今はものすごく江戸時代の資料が刊行されていますから、調べ物は机の上でやればいいことです。
旅に出て何をするかというと、そこの風に当たり、空気を吸います。
いくつか自分なりの取材ポイントがあって、その一つが植生です。樹齢150年を超すような大きな木ならば、150年前にも同じ場所に立っていたってことですから、その木になりきってみたりもします。木の前で繰り広げられたであろう、ドラマを想像してみるんです。
四季の風景描写なくして小説は成立しないとぼくは信じていますから、その意味でも植生をきちんと見ます。
街の第一印象も大事ですね。小説にも書きましたけれど、仙台の男は身なりがいい。
昔、僕はアパレルメーカーに勤めていたのでうわさには聞いていましたけれど、街を歩いてもサイン会に来る読者を見ても、やっぱり伊達者なんですよ。
伊達政宗は、遺品を見てもすごくおしゃれで、お供のみなりにもやかましかったそうですが、そういう気風が脈々と続いているのかな、と思いました。」(大人の休日倶楽部3月号から)
創作する者としての立ち姿がすごく見えてくるお話ではありませんか。
浅田次郎さんの小説がいつも面白いのはこうした視点をお持ちだからなのだと思いました。
私たちも、自分なりのそ創作者としての立ち姿を作り上げていきましょう。
ご参考になれば幸いです。