こちらの記事では、「三行ストーリーってよく聞くけど何のこと?」といった疑問や、「企画書を書く際、最初に三行ストーリーを考えて、と言われたけどよく分からない……」といったお悩みが解消できます。
シナリオ・センター創設者・新井一は、『シナリオの基礎技術』『シナリオの技術』などシナリオの書き方に関する書籍をいくつも執筆しています。また、『月刊シナリオ教室』でも連載ページをもち、シナリオの技術を解説していました。その記事は、いま読んでも全く色褪せていません。
そこで、当時の記事を皆さんにご紹介。「シナリオってどう書くの?」という初心者の方も、「一度学んだけど、忘れちゃった…」という方も、これを読めばシナリオ作りが一層はかどります!
「一言で言うと、どんな話?」
あなたが今読んでいる小説でも論文でもシナリオでも、戯曲でもマンガでも、何でも構わないのですが、読み終わったら、その内容を一口で言ってみるのです。
テレビ局の偉い人に「実は何々の時間帯用にドラマの企画を立てたのですが」と言うと、その偉い人は「一言で言うとどんな話だね」と必ず言います。
その時に――
「太郎と花子がいて、いえ純愛物語なんですけど、相思相愛ではなくて、太郎は花子が好きなんですが、花子の方は何と言ったらいいかな、花子は好き嫌いというよりも関心がなくてですね………」
「ああ、もういい、下がりたまえ」と言われて二度と話を聞いてはくれません。
どんな話か大体伝わり、読みたくなる “三行”
それではどんなふうに言ったらいいのでしょう。
「岩波文庫」「新潮文庫」「角川文庫」といろいろいろな文庫本の目録というのがあります。あれを本屋さんからもらってくるのです。
オリエント急行列車に乗り合わせた乗客が積雪に閉じ込められ、
翌日1人の乗客が体に無数の傷を受けて死んでいた。
被害者はみんなアリバイがあった。
おわかりのように有名なアガサ・クリスティの代表作で、『創元推理文庫』目録の文章です。これだけの文章で、どんな話かという全貌さえわかってきますし、買いたくなるような衝動を起こさせることが大事です。
湯の里温泉という山陰のひなびた温泉町を舞台に、
薄幸な芸者夢千代を主人公として、
重い過去を背負った女たちの生き様を情感豊かに描く名作
これは早坂暁先生の『夢千代日記』のシナリオ本を出した大和書房の図書目録です。
本に付いている腰巻も参考になります。
それと同時に、これからはあなたが読んだ小説でもシナリオでも、何でも「三行ストーリー」にしてみるのです。口の中でぶつぶつ言ってないで、ちゃんと紙に書いてみるのです。ご自分の作品を書く時でも、今申し上げた三行ストーリーをまず書いてください。
それからシナリオをお書きになることをお勧めします。あるいはすでに書かれた作品も三行ストーリーにしてみて、その時にスラスラと書ける場合は、作品がよく出来ている証拠です。
出典:『月刊シナリオ教室』1992年3月号「シノプシス十則」/2017年6月号「新井一.com」
※三行ストーリーは企画書を書くときも大切になります。
こちらの記事「企画 (アイデア)が凄い!と思うオススメ映画9選」も併せてご覧ください。
※脚本なり小説なり、何か作品を書こうとしているかた、ぜひ参考にしてください↓
「3行ストーリー大賞」結果・講評
「シナリオは、だれでもうまくなれます」
「基礎さえしっかりしていれば、いま書いているライターぐらいには到達することは可能です」と、新井一は言っています。
“最初の一歩”として、各講座に向けた体験ワークショップもオススメです。
※シナリオ作家養成講座とシナリオ8週間講座は、オンライン受講も可能です。
詳しくは講座のページへ
・シナリオ作家養成講座(6ヶ月)