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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

映画作りの心を知ろう。

シナリオ・センター代表の小林です。ちょっと蒸し暑い・・・湿度が高いのは怖いです。後藤所長はじめぎっくり腰続出のシナリオ・センターです。 

木下恵介監督

来週の11日火曜日「ミソ帳倶楽部 達人の根っこ」は、「クレヨンしんちゃん」など数多くのアニメ映画をてがけ各賞を総なめにされている原恵一監督にお越しいただきます。
現在、上映中の木下恵介監督生誕100周年記念映画「はじまりのみち」は、原監督初の実写演出です。
実写とアニメの違いなどもお話をお聴きしたいと思います。 

木下恵介監督をご存知でしょうか?若い方には、ご存知ない方も多いかと思います。松竹映画を日本の映画を支えてきた監督のお一人です。
高峰秀子さん主演の日本で始めてのカラー映画「カルメン故郷に帰る」、また「二十四の瞳」は有名です。
私も、木下監督が映画監督としてご活躍されていた頃は、子供だったので、監督の映画はほとんど観たことはありませんでしたが、ひとつだけ子供心に克明に覚えている作品があります。
確か小学校の校庭で、夏休みに野外上映をしたものだったかと思います。
「喜びも悲しみも幾歳月」高峰秀子さんと中井貴一さんのお父様の佐田啓二さんが主演でした。灯台守のお話です。
歌も覚えています。誰が歌っていたのかなあ・・・これは覚えていない。
「♫♫おいらみさきの灯台守は、妻とふたりで沖行く船の無事を祈って、火を灯す、火を灯す♪」おいら岬?だったか・・・。ともかく、しみじみと泣ける作品だった想い出があります。 

木下監督は、当時の映画監督としては珍しく、テレビに転身されているんですね。
木下恵介プロダクション(現在のドリマックス・テレビジョン)を設立され、TBSのドラマをたくさん手掛けています。
「木下恵介劇場」「木下恵介アワー」「木下恵介・人間の歌シリーズ」、ドラマのTBSといわれた全盛期のTBSを支えた素晴らしいテレビドラマをたくさん生んでいます。
山田太一さん脚本「それぞれの秋」、向田邦子さん脚本「冬の運動会」は数々の賞を受賞され、有名ですね。
この頃のテレビドラマは、脚本をとても大事にして創られていました。今尚、名作としていわれるのは、脚本家が渾身の力を込めて創られたオリジナル。
「昔はよかった」という気はありませんが、少なくとも、創り手の熱意は昔に及ばない気がします。
創作をするということは、自分を賭けることですから、商売としてとか視聴率を考えてとかの前に、自分はどういう作品を世に問いたいのか・・・しっかり考えられていたように思います。
この頃のドラマが残っていたら、シナリオライターを目指す方々は是非観てください。横浜の放送センター等に保存されているかと思います。きっと、「こういうことか!」と腑に落ちると思います。

 原監督の作られた「はじまりのみち」は木下恵介監督を描いた作品。原監督が敬愛して止まない木下監督の「映画作りの心」をどう描いたかをお聴きすることは、これからシナリオを書いて世に問う私たちの指針になるかと思います。

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