「話すことが何も思い浮かばない…」「会話が続かない…」
こんなとき、映画の“題名”を話題にしてみるのはいかがですか?
けっこう盛り上がるかもしれませんよ。
今回は上原正志講師 (研修科担当)が「こんな題名、私には思い浮かばない!」と羨む映画4本をご紹介。
脚本家・小説家志望者は、「自分ならこの映画にどんな題名をつけるかな」と考えてみるのも創作の勉強になりますよ。
題名は人間でいえば“顔”
〇上原講師:新井一先生の著書『シナリオ作法論集』を開いてみよう。
その中の「企画書と題名」で、新井先生は、映画・テレビドラマの題名が、いかに重要かを説いている。もちろんコンクールでもだ!
題名は人間でいえば「顔」、つまり第一印象。題名をつけるポイントは、まず、その作品をひと言で説明すること。セールス・ポイントを忘れずに。
『タイタニック』なら「豪華客船タイタニック号で婚約者のいる令嬢と貧しい画家志望の青年が出会って命がけの恋をする」という話。題名が例えば『愛と死の航海』などでは、ヌルイ。
テーマ、キャラクター、設定、場所、小道具…。あらゆる視点から題名を考えよう。
それでは、映画の中から「私の大好きな題名」を紹介しよう。
作品のデキとは関係ない。邦題ではあるが原題の忠実な翻訳になっている。
『暗くなるまで待って』(原題:Wait Until Dark)
〇上原講師:オードリー・ヘップバーン扮する盲目の人妻に襲いかかる悪漢!
絶対的に不利な状況にいる彼女は考える。
「真っ暗になれば、相手も私も同じ暗闇の中にいるから条件は同じ。
いや、ここは私の家の中だから私の方が、彼より、よくわかっていて、有利だ。
だから……「暗くなるまで待って」。
サスペンス・スリラーだが、この題名なので官能映画とカン違いする人もいるらしい。
※YouTube
YouTube ムービー
暗くなるまで待って(字幕版) (プレビュー)
『恐怖の報酬』(原題:Le Salaire de la peur)
〇上原講師:油田火災消火のために高い報酬につられた男たちが液体爆薬ニトログリセリンをトラックに積んでガタガタ道を運転していく。まさに手に汗握る恐怖感の連続だ。
もし題名が『恐怖の賃金』では、シマらない。
※YouTube
Le Projectionniste
Le salaire de la peur (1953) Bande Annonce VF [HD]
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(原題:The Postman Always Rings Twice)
〇上原講師:ホントにカッコいい題名だ!
映画の中に、そのようなシーンが……。
それがカッコいい!
※YouTube
Warner Bros.
The Postman Always Rings Twice (1946) – Trailer
『ジョーズ』(原題:JAWS)
〇上原講師:スティーヴン・スピルバーグ監督の人喰いザメ・パニック映画。
「JAWS」とは、どんなものでもかみ砕いてしまうサメの強靭な「あご」のことだ。
私なら『シャーク・アタック!』ぐらいしか思い浮かばない……。
※YouTube ムービー
ジョーズ – 予告編
※上原講師は、別のテーマでも映画をおすすめしています。
「秋の夜長に楽しむオススメ映画/シナリオ・センター講師10選」はこちらからご覧ください。